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あの旭化成陸上部にケニア人が加入。72年目の改革断行はなぜ?

5/18(木) 11:30配信

webスポルティーバ

 今年の元日に行なわれた全日本実業団駅伝(ニューイヤー駅伝)で、18年ぶりに優勝を果たした旭化成が、5月15日、ケニア人選手2名と正式に契約したことを発表した。1964年の第9回大会の初優勝以来、日本人選手だけで全日本実業団駅伝22回の優勝を誇る名門に、外国人選手が入部する。ちなみに、今年の大会では出場37チーム中、2区の外国人区間を日本人選手が走ったのは7チームだけで、そのうち総合20位以内に入ったのは優勝した旭化成と18位のJR東日本だけという状況だった。

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 宗猛総監督は「これが時代の流れと言ってしまえばそれまでですが、自分が旭化成に入って47年目でいよいよかという感じで……。ずっと日本人だけでやってきた僕らにすれば、ちょっと寂しいなという気もするし、関わってきた人たちの多くも『ついにうちもか!』という感じだと思う」と苦笑して、こう続ける。

「会社の方からも、7~8年前から周りの流れもグローバル化している時代になったから、陸上部でも外国人を入れたらどうかという話はあったんですが、具体的には進んでいませんでした。過去のニューイヤー駅伝の成績では、27位が最低順位ですが、その時は1週間後の朝日駅伝でメンバーを3~4人入れ換えて若手中心にして走り、ニューイヤー駅伝で3位だったHondaなどの上位チームに勝っている。それで『きっちり走れば、やっぱり強いじゃん』というのをアピールできていましたが、今は失敗を取り返す駅伝がなくなったということもあって、いよいよキツいんじゃないかということになり、昨年から急激にそういう話が高まってきたんです」

 昨年から経営陣のレベルでも、外国人選手を入れることを本格的に検討し始めた。その中で、陸上部を担当する人事担当役員を補佐する形で動いたという、陸上部副部長の坂本修一取締役常務執行役員は、「最後の最後まで旭化成は日本人だけで戦ってほしいという声も多くあるのも確かでしたし、実際にそういうチームを作ろうとやってきました」という。しかし一方で次のような議論もあった。

「旭化成陸上部の目的は、マラソンやトラックの五輪や世界選手権、主要大会で世界と伍して戦う選手を育てることです。その中でニューイヤー駅伝は『チームとしてやっているからには勝ちたい』という位置づけですが、過去、五輪や世界選手権などで戦える選手がいたときは勝っていて、いないときは勝てないという相関関係があるのも事実です。

 ですから、ニューイヤーを勝つのが目的ではなく手段のひとつと考えて、選手たちにも、『(ニューイヤー駅伝が)邪魔になっているなら、やらなくてもいいんだよ』とも言いました。でも彼らは『やっぱりチームでやるニューイヤーで勝ちたい』と言うんです。

 それに、会社としても陸上部を応援したいと考えて議論をする中で、経営陣から『やっぱり外国人がいた方がいいのでは』という意見も出てきた。それは駅伝で必ず勝てということではなく、そういう選手がいることで元々いた選手たちにも刺激になって、選手の育成にもつながるという考えです。実際に最後まで日本人だけでやってほしいという声は強いし、外国人選手がひとり入ったからといって勝てるわけではないのは確かなことですから」(坂本常務)

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