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フェイスブックに裁判所から「ヘイト投稿」の削除命令

5/18(木) 12:20配信

WIRED.jp

オーストリアの裁判所は、フェイスブックに「ヘイトスピーチ」と認定される投稿の削除を命じた。この判決は世界中の投稿に適用されるというのだ。当然のことながらヘイトスピーチは見過ごしてはいけないものだが、企業や政府はオンライン上のコンテンツに対してどこまで介入してよいものなのだろうか?

【「ヘイト投稿」の削除命令が世界に及ぶ?】

Facebookは、サイト上に現れるコンテンツにフィルターをかけようとする「パプリッシャー」ではなく、人々がニュースを共有する「プラットフォーム」として自らを位置づけようとしているのかもしれない。だが、その考えの前には世界が立ちはだかっている。

オーストリアの裁判所は2017年5月8月(米国時間)、フェイスブックに「編集権限」のような権利を行使するよう命じた。これはオーストリアの緑の党が、同党のリーダーに対する侮辱行為に対して起こした訴訟の結果で、裁判所はフェイスブックが「ヘイトスピーチ」と認定できる投稿を削除しなければならないとの判決を下したのだ。今回の裁判で緑の党議員エヴァ・グラヴィシュニクの代理人を務めた弁護士、アレキサンダー・ネスラーは「フェイスブックが完全に従おうとしなかったとしても、裁判所の決定を強制的に受け入れさせる方法はいくらでもあります。要は実際にどう動くか次第です」と話した。

しかし、思わぬ出来事が起きた。対象はオーストリアのユーザーだけでなく、「Facebook上から侮辱的なコンテンツを完全に(つまり世界中で)削除する」ように命令されたのだ。メディアやテックに関する政策の専門家によれば、ヨーロッパには強力な反ヘイトスピーチの伝統が存在しており、今回の判決はその現れだという。

投稿の削除が世界中で求められるならば、判決がさらに予期せぬ反響を呼ぶ可能性もあると専門家らは主張している。コーネル大学でソーシャルネットワークを研究しているジェームズ・グリメルマン教授は、「オーストリアの政治家ばかりをフォローしているならともかく、多くの人々のニュースフィードは常に誰かの投稿で満たされています。今回の判決は、投稿削除に関する前例をつくってしまったかもしれません」と話す。

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最終更新:5/18(木) 12:20
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