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U-20W杯に挑む15歳久保建英の才気 プレーから伝わる世界デビューへの覚悟

5/18(木) 11:17配信

Football ZONE web

2世代の飛び級を果たし初の世界大会に参戦、U-20ホンジュラス戦で見せた成長の跡

 初の世界大会の切符をつかんだ15歳は、こう口にした。

「半年前は、想像すらしていなかった」

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 だが、U-20ワールドカップ(W杯)韓国大会に2世代の飛び級を果たして出場するU-20日本代表FW久保建英(FC東京U-18)は、その半年間で戦うための旅支度を整え、決戦の地へ飛び立った。

 本大会直前の15日には、エコパスタジアムでU-20ホンジュラス代表との練習試合に途中出場。そこで世界仕様のプレーを見せつけた。試合後、「それ(フィジカルの差)は感じましたが、フィジカル勝負はしていない。わざわざ感じなくてもいいのかなと、分かっているので」と、吐き出した。

 中盤での激しいフィジカルコンタクトを、ワンタッチ、ツータッチで華麗にかわし、仲間へとボールを届ける。逆に、相手が飛び込めないと判断した瞬間はギアを一気にトップへと上げ、ドリブル、パス、シュートと自在にチャンネルを切り替える。後手を踏む相手を尻目に、華麗にピッチを舞った。

「相手も後半疲れてきていたので、ボールを持ったらドリブルで仕掛けようと思っていた。そこはフィジカル勝負というよりも、自分が先手を取っているので(ボールを)取られることはない」

 その機知に富んだプレーに、集まった約3000人の観衆は、背番号「20」がボールを持つたびに沸き返るようになっていった。

「サイズが小さい分、敏捷性は相手よりある」

 昨年11月のJ3デビューとなった本拠地AC長野パルセイロ戦の試合後、久保はこう語っている。

「今までとは全然違った。最初は思っていたよりも速いパスが来て、あたふたしてしまう場面が多かった。まだまだ(J3レベルでプレーするには)劣っているなと感じた。上には上がいて、自分はまだまだ下。貪欲にどんどん追い越していけるように毎日やっていきたい。何回か良いプレーもあったけど、相手のほうがパワーやスピードで上でした。(自己評価は)20点か、15点です」

 そこから約半年が経過。J3には昨季から計9試合出場し、4月15日に行われた今季第5節セレッソ大阪U-23戦(1-0)では待望の初得点を挙げた。さらにJ1カテゴリーのルヴァン杯でも、FC東京トップチームの一員として2試合に途中出場するなど、年齢も体格も違う相手に確かな経験を積んできた。

 U-20日本代表選出直後には「サイズが小さい分、敏捷性は相手よりあるかなと。リーチの長さ(の違い)は痛いほど痛感しているけど……。W杯でいい経験に変えられたら」と語っていたが、同時にこうも話した。

「優勝しようと思ったら、どのチームも倒さないといけない。出るからには一番の目標は優勝だと思っている。そのためにはどのグループに入っても、どのチームも倒さなければいけない」

Jデビューからの半年で見せた確かな成長

 その大志は、夢見る希望的観測などではなく、叶えるべき現実的な目標として語られた言葉なのかもしれない。そう思わせるだけの覚悟が、エコパのピッチに立った久保のプレーからは伝わってきた。

 未知なる領域を次々と切り拓く15歳の神童として注目を集めるが、彼はJリーグの舞台に足を踏み入れてからの半年間で、確かな成長の跡を見せていた。だからこそ、2世代も上の屈強な相手を前にしても、久保がボールを持つたびにワクワクさせられる。観る者に思わずポンと膝を打たせるような才気が、そのプレーにはあふれていた。

馬場康平●文 text by Kohei Baba

最終更新:5/18(木) 11:22
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