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米ベストセラー作家が語る「仕事のない未来」への処方箋

5/18(木) 15:00配信

Forbes JAPAN

機械に仕事を奪われるのは、未来の話ではなく、もう何年も前から起きてきたことだ。この大きな変化に対してわれわれは何ができるのか。気鋭の作家による大胆提言。

【図1, 2, 3はこちらから>>】

「テクノロジーが発展すると多くの人が仕事を失う」。そんな話をすると、きまって反対する人たちがいる。彼らは、「歴史上そんなことは一度もなかった」と反論するのだ。
 
歴史を振り返ると、こうした議論は200年以上も前から繰り返されてきたことがわかる。もう少し最近のケースでは、1964年にアメリカの有識者たちがリンドン・ジョンソン大統領(当時)に「アメリカの社会・経済はディスラプション(断絶)の転換点にある。政府が何らかの対策を講じなければ、数百万人規模の失業者が出る」と警告するレポートを提出した。
 
ところがご存じのとおり、そんな事態は起きなかった。似たような警告はたびたび発せられてきたが、いずれも杞憂に終わった。主な理由は、工場の機械化などにより解雇された労働者たちが、再教育を受け、ほかの仕事に移動することで、全体として雇用が確保されてきたことだ。
 
しかし私に言わせると、この話は(イソップ童話の)「オオカミ少年」を思い起こさせる。人々が嘘の警告に慣れてしまったため、本当の危機が訪れても気づかず、悲劇的な結末を迎えるのである。
 
私は今回ばかりは、本気でこの脅威に向き合うべきだと考えている。なぜかといえば、これまでとは議論の前提となる背景が大きく変わったからだ。3つ注目すべきポイントがある。

1.テクノロジーの加速度的な成長。「ムーアの法則」によると、半導体の集積率は18カ月ごとに倍になる。そうした加速度的成長はすでに半世紀も続き、テクノロジーの進化は天文学的なレベルに達している。

2.認知機能を兼ね備えるようになったコンピュータの登場。「機械学習」に見られるように、コンピュータが自ら「考える」力を身につけ始めた。

3.ITのもつ汎用性。ITは「電気」などと同じように、業界・業種を問わず、経済全体に影響を及ぼす。
 
これら3つの要因が、これまでとはまったく異なる状況を生み出している。では、どういった影響が生じているのだろうか?ここでは、扇動的な議論をするのではなく、数字で示したいと思う。
 
テクノロジーの進歩によって、企業はより短時間で多くのモノを生み出せるようになった。ところが、それによって雇用も増えているかといえば、そうではなくなってきている。
 
ここに、10年ごとの雇用の増加率を表した【図1】がある。年によってばらつきはあるが、10年単位で見ると、新規の雇用者数が確実に減少していることがわかる。

そして2000年代には、完全にゼロになっている。その大きな要因は金融危機だが、2000~07年の縦軸が示すとおり、金融危機以前の07年の段階で相当減少していた。つまり、たとえ金融危機が起きなかったとしても、減少傾向そのものは変わらないのだ。構造的に、新たな雇用が生まれにくくなっていると考えざるをえない。
 
また【図2】からわかるとおり、労働者の生産性が上がっても、賃金は上がらなくなっている。従来の経済学では、テクノロジーの進歩で生産効率が上がり、より多くのモノを作れるようになると、賃金も上がると考えられてきた。実際、70年代中盤まではそうだった。
 
ところが73年頃から、生産性と賃金の成長ラインが乖離し始めたのだ。インフレ調整後の数値で比較すると、現在のアメリカの平均的な労働者の賃金は、70年代の労働者のそれよりも低い。

いろいろな原因が考えられるが、私は機械が人間の仕事を代替するようになったことが大きいとみている。70年代まで機械はおもに人間の作業を補助するものだった。ところが70年代以降、機械は徐々に人間に取って代わり、労働力を必要としなくなったのだ。

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最終更新:5/18(木) 15:00
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