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アンチエイジング最前線! 細胞の老化を司る「テロメア」とは?

5/18(木) 11:00配信

ダ・ヴィンチニュース

 できるだけ長く若さを保ち続けること、あるいは健康寿命を延ばすこと。それは昔から現代に至るまで、多くの人々を悩ませてきた切実な問題だ。生き物としてこの世に生まれてきた以上、人間はいつか死ぬし、ある程度の年齢以降は身体の機能が衰えてくるようにできてもいる。

 幸いなことに科学の進歩によって、私たちの細胞が老いる仕組みは徐々に明らかになりつつある。その鍵を握るのが、染色体の両端にある「テロメア」といわれる構造だ。「TTAGGG」の塩基配列の繰り返しからできているテロメアは、それ自体では何の遺伝情報も持ってはいない。その代わり、染色体に含まれる遺伝情報を保護するという大切な役割がある。

『細胞から若返る!テロメア・エフェクト 健康長寿のための最強プログラム』(エリザベス・ブラックバーン、エリッサ・エペル、森内 薫:訳/NHK出版)の著者の1人、エリザベス・ブラックバーンは、このテロメア、およびテロメア修復に関わるテロメラーゼ酵素の仕組みの発見により、2009年にノーベル医学生理学賞を受賞している。それほど、この発見は衝撃的なものであった。テロメアが細胞の老化と寿命を司っているという事実が明らかになったからだ。

 身体の各組織にある細胞は一定間隔で分裂を繰り返し、新しい細胞に入れ替わっている。それによって私たちの身体は初めて健全な状態を保つことができるのだ。しかし、染色体の端にあるテロメアは細胞が分裂を重ねるとともにだんだんと短くなっていく。そしてテロメアがある一定以上の短さにまでなると、細胞は分裂すること自体をやめ、老いていくことになる。老いた細胞に、これまでと同じような働きを期待することはできない。むしろ老いた細胞は私たちの身体にさまざまな悪影響をもたらすようになる。細胞の内部に病気の原因になるような不要物を溜め込むようになったり、周囲の細胞に炎症を引き起こすような物質を分泌したりするようになるのだ。

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