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水沢エレナ 聖徳記念絵画館で明治天皇の一代記に圧倒される

5/19(金) 7:00配信

NEWS ポストセブン

「ナマの日本美術を観に行こう」をモットーに始まった本誌・週刊ポストの“大人の修学旅行”シリーズ。今回は、日本美術応援団長である山下裕二氏(美術史家)引率のもと、モデルで女優の水沢エレナが、建設の進む新国立競技場に隣接する東京・明治神宮外苑の聖徳記念絵画館を訪れた。

山下:ここ聖徳記念絵画館には明治天皇の御一代記を描いた80枚の壁画が収められ、当代一流の画家が描いた優れた絵画に触れることができます。しかも、年中無休なのです。

水沢:作品が大きくて圧倒されます。これほど繊細な絵を、縦3m、横2.7mもの大きなサイズで緻密に表現しています。驚くことに、ほとんどの作品ごとに画家が違います。

山下:76人の画家が、各々与えられた画題に添って史実を踏まえて描いているので、歴史的資料としても評価が高い。

水沢:昨日、画家が主人公の本を読んだのですが、そこには「求められるものと自分が描きたいものは違う」とありました。

山下:水沢さんも女優として共感する部分があるのでは?

水沢:女優の仕事は求められて成立すると思うので、そこに応えられることが幸せであり、自分の満足感でもあります。でも、欲をいえば毎回違う役をやりたいという葛藤もあります。

山下:ここに集まった画家たちにも、色々な葛藤があったと思います。名誉な仕事ですが、画家としての自己のプライドもある。

 例えば“美人画の名手”と謳われた鏑木清方が描いた『初雁の御歌』。皇后が巡幸中の天皇を偲んで歌を詠んだという史実に基づいていますが、説明要素が一切ありません。

水沢:純粋にきれいな絵ですね。時代劇の一場面のような『大政奉還』など、歴史を説明する他の絵より美しさが際立っています。

山下:自分は市井の画家であるという強い自負があったのでしょう。日本画の中でも異質です。でも、異質という点では川村清雄の作品が上かもしれません。

 日清戦争の戦利品を皇居内の『振天府』へ運ぶ横に白馬に乗った王子が天空を駆ける光景を描くところなど、ある種、異様な静物画です。オリジナリティに溢れ、絵として断然秀でています。

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