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村田諒太は「月」に行けるか? ミドル級王者に向けて舞台は整った

5/19(金) 18:30配信

webスポルティーバ

 5月20日~21日、東京・有明コロシアムにて2夜連続で『ボクシングフェス2017 SUPER 2 DAYS』と銘打たれたビッグイベントが開催され、世界タイトルマッチが計5試合行なわれる。

■井上尚弥はロマゴン敗戦にショック

 5つの世界戦には、WBO世界スーパーフライ王者「モンスター」井上尚弥(大橋)の5度目の防衛戦や、IBF世界ライトフライ級王者「激闘王」八重樫東(やえがし・あきら/大橋)の3度目の防衛戦が含まれる。ただ、そのなかでももっとも目が離せない一戦は、20日に行なわれる村田諒太(帝拳)の世界初挑戦となるWBA世界ミドル級王座決定戦であることは間違いない──。

* * *

「人類が月へ行くより難しい」

 かつて、ミドル級の世界王者になることの難しさを、そう例えた時代がある。22年前、竹原慎二(元WBA世界ミドル級王者)が日本人として初めてミドル級のベルトを腰に巻いたころの話だ。

 そして今なお、その難易度は高いままだ。海外では常にトップクラスの人気階級であるミドル級で、タイトルマッチの舞台に立つために求められる実力は果てしなく高い。さらに言えば、余程のことが起きないかぎり、タイトルマッチを日本で開催することは難しい。

 その余程が、今回起こった──。村田諒太は、間違いなく“運“を持っている。

 ミドル級をめぐる物語が急激に動き始めたのは、今年3月。

 WBAの正規王者だったダニエル・ジェイコブス(アメリカ)が、WBAスーパー王者でありWBCとIBFの世界ミドル級王者である「現役最強」ゲンナジー・ゴロフキン(カザフスタン)と統一戦を行ない、判定の末に敗れる。その結果、WBAの正規王座が空位となり、ランキング1位のアッサン・エンダム(フランス)が暫定王者に。そのエンダムとWBA2位の村田が、正規王者のベルトをかけて戦うことが4月3日に決定した。

 もちろん、どちらが試合に勝ち、新王者になったとしても、その上にはスーパー王者ゴロフキンが君臨するという不可思議な状況に陥っている。

 歴史を紐解けば、1950年代のボクシング界には10階級・10人の世界王者しかいなかった。その後、団体が増え、さらにWBAには正規王者のみならず、スーパー王者、暫定王者と3つもの王座が乱立。諸々合計すれば、現在は80人以上の世界王者が存在することになっている。

「以前よりもベルトの価値は下がっている」と口にする者はいるだろう。もちろん、そのとおりだ。しかし今回、村田諒太が狙うベルトにその挑戦の価値がないかと言えば、大間違いだ。

 村田は中学時代、髪を金色に染めてケンカに明け暮れる不良少年だった。当時の担任に勧められてボクシングを始めるも、練習がきつくて幾度も投げ出している。

 後のゴールドメダリストは、その端正なマスクで誤解されがちだが、平坦な道を歩んできたわけでも、エリートだったわけでもない。そして、大きな挫折も知っている。

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