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【U20】舩木翔が左足に込めるプライド。U-20日本、南ア攻略のカギはサイドにあり

5/19(金) 12:10配信

フットボールチャンネル

 U-20日本代表は18日、韓国・水原市内で練習を行った。21日のU-20W杯グループステージ初戦で、南アフリカをいかに倒すか。そのカギを握る選手が日本の左サイドにいる。攻守にわたる貢献が求められるサイドバックとして、舩木翔は今、何を考えているのだろうか。(取材・文:舩木渉【水原】)

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●大事な初戦、カギになるのはサイドの攻防

 U-20日本代表は、21日に迎える南アフリカとのU-20W杯グループステージ初戦に向けて調整を続けている。

 決勝トーナメント進出のため、グループステージ3試合の中で最も重要とされるのが初戦。この試合に勝ち切れるか否かで、その後の戦い方や精神状態など、様々な要素が変化する。とにかく是が非でも勝利しなければいけないのが南アフリカ戦だ。

 一方で、南アフリカは最も読めない相手でもある。日本と同じグループのウルグアイは同世代の南米王者というわかいやすい指標があり、イタリアはセリエBでプレーする選手が大半ということを考えれば、ある程度レベル感は掴みやすい。

 今年のU-20アフリカ選手権で4位に入り、U-20W杯の出場権を獲得した南アフリカ代表の選手たちは国内組が大半を占める。ヨーロッパでプレーしている選手もわずかにいるが、ほとんど情報がないのが実情だろう。

 それでもU-20日本代表の選手たちは南アフリカ代表の試合映像などを見てイメージを膨らませている。DF舩木翔は、初戦の対戦相手の印象について「サイドからゴリゴリきて、えぐってクロスからとか、結構足元の技術もありますし、自分たちが経験したことのないところに足が伸びてくると思う」と語る。

 サイドの攻防が重要になれば、舩木自身が21日の初戦でキープレーヤーになるかもしれない。決戦の地・韓国入りの直前に行われたU-20ホンジュラス代表との練習試合で2失点を喫した守備の改善が求められる中、プロ1年目の左のスペシャリストは南アフリカ戦に向けて闘志を燃やす。

「(南アフリカ代表には)サイドに絶対速い選手がいます。自分はあまり速くないし、守備も全然強くないんですけど、やっぱり自分のサイドをやられないこと。クロスからの得点とかの形も持っていると思うので、ワンツーの対応だったりとか、自分が相手を止めることができれば、チームも乗ってくると思う」

●「1対1の局面で試合に勝つか負けるかが決まる」

 自分でも認めるように、舩木はもともと守備を苦手としている。効果的な攻撃参加と左足キックの精度が持ち味の攻撃的サイドバックとして同世代の中で高い評価を勝ち取ってきた。セレッソ大阪U-18の一員として出場していた昨年の高円宮杯U-18サッカーリーグ2016 プレミアリーグWESTではサイドバックながら、そして代表活動などによる離脱期間もありながら10ゴールを奪い、終盤戦まで得点王争いに絡んでいたほどだ。

 ただ、南アフリカ戦で勝敗を握るのは守備に他ならない。「1対1の局面で勝つか負けるかで、試合に勝つか負けるかも決まってくると思う。相手はスピードに乗らせたら速いので、スピードに乗らせる前に潰すとか、先に予測してボールを奪うとか、そういうところに気をつけていければいいかなと思います」と、舩木は力強く語る。

 とにかく南アフリカのサイドの選手のスピードを消し、タテに突破されないこと。18日の練習では1対1の局面を切り取ったメニューには長い時間が割かれていた。また、3対3や6対6のミニゲームでもピッチ内で数的優位・不利を作らないことで1対1で負けないことを意識したトレーニングが行われていた。

「いままでは失点に繋がっていなかったことも失点に繋がる、世界大会はそういうところです。それを詰めていかないと勝てないというのはアジア予選の時も思った。もう少し自分たちでリスクを管理して、コミュニケーションをとりながらやらなければいけないと思います」(舩木)

 サッカーは11対11の競技だが、究極的には1対1で絶対に負けなければゴールを割られることはない。個と個のぶつかり合いが勝敗のカギを握る南アフリカ戦に向け、日本の選手たちは「1対1の局面で勝つか負けるか」をより強く意識するようになっている。

●左のスペシャリストとして。舩木翔が勝ち点3を引き寄せるか

 とはいえ、舩木は南アフリカ戦で守備をするだけではない。もちろん持ち味である攻撃面の良さも発揮していくつもりだ。

「自分たちが動きながらボールを動かすと、相手はついてこれないし、動きながらのプレーが増えると相手は混乱すると思います。自分たちがボールを持つ時間が長くないと相手の良さが出てしまうと思うので、動きながらダイレクトでクサビのボールを入れたり、ひとつ前に当ててサポートしてもう一度前に出たり、自分たちがボールを握りながら、動きの中でプレーすることを意識していきたい」

 サイドからのクサビのパスでビルドアップに絡むこと、あるいはサイドMFとのコンビネーションで相手を崩すことは舩木の最も得意とするところ。そこから左足で精度抜群のクロスを上げられれば、中央で待っている選手たちがゴールに変えてくれるはずだ。

 ただ、守備でボールを奪って前に出ていくことだけが舩木のプレーではない。U-20日本代表に入れば、逆サイドとのバランス取りも求められる。

「やっぱり自分は攻撃に関わっていくことが持ち味だと思っているんですけど、左が自分で右が(初瀬)亮くんや(藤谷)壮くんになると、自分は前へ前へいくより、少し後ろに構えながらクサビのボールを入れたり、左サイドでゲームを作れるようなプレーを心がけてやっていきたい」

 舩木が相手のタテへの突破を阻止し、ボールを奪って左サイドからゲームを作る。南アフリカのフィジカルの強さやスピードを生かした攻撃を止め、日本がボールを握る時間を長くするにはサイドバックの攻守にわたる貢献が重要になるだろう。

「僕は左しかできない」

 舩木の口からふと発せられたこの言葉は決してネガティブな意味ではなく、「左サイドは俺に任せろ」、そんなプライドがこもった決意表明のように聞こえた。

(取材・文:舩木渉【水原】)

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