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マインドフルネスなどの瞑想ブームに気をつけろ!「無職ほど偉い」そのヒエラルキー

5/19(金) 16:20配信

HARBOR BUSINESS Online

 最近、流行しているマインドフルネス。この言葉を耳にしない日はないくらいの大ブームだ。

 現在、マインドフルネスについてのセミナーがあちこちで開催され乱立し始めている。

 しかし、このマインドフルネスには明確な定義がない。マインドフルネスとは一般に、「今の自分の状態に意識を向けることで、悩みや不安、怒りによるストレスを取り去り、心身を根本からすっきりさせる方法のこと」を指すという。明確な定義がないにもかかわらず、まるで鬱対策やストレス対策のように推奨されるのには疑問が湧く。

◆派生しすぎている日本の瞑想法

 ストレスに満ちた毎日を解消するには瞑想が一番の効果をもたらすとNHKの番組で発表されて以来、空前の瞑想ブームである。クリント・イーストウッドやデビット・リンチがやっているということを売りにして市場は広がるばかり

 だが瞑想と一口に言ってもさまざまな流派や方法が多様に存在している。

 瞑想が最初に流行ったのは20数年前のニューエイジブームからだ。日本にはそれ以前に座禅というものもある。そのためスピリチュアル好きな女性はもちろん、座禅の延長と考える男性のビジネスマンにも受け入れやすい。数年前からのヨガブームでヨガの延長として瞑想を教えている教室も増えている。

 気にかかるのは、ひとくちに瞑想といっても様々な種類があり、一般の瞑想初心者がどれくらい瞑想法を区別できているのかというところだ。まず大きく瞑想法を分類して説明してみよう。

・インド式瞑想

10日間の沈黙の業で有名なビッパサナーなどインドから世界に伝わった形式を指す。ヨガ教師が教室で行うのも同じ系統。超越瞑想(TM)はこの発展系である。

・禅系瞑想

日本古来の禅を用いた瞑想。型を重んじ、正座かあぐらで行われる。どちらかというと精神鍛錬に近いため、瞑想状態にまで至らないことが多い。

・スピリチュアル系瞑想

瞑想の中でスピリチュアルなトークがあり、特長として大天使を呼び寄せ、愛と感謝がメインテーマ。呼び寄せる天使により効能が違うといわれる。

・ニューエイジ系瞑想

20年以上前に流行したアメリカのニューエイジ運動から発展した瞑想。例えばダイナミック瞑想など自分を開放する動時と瞑想する静時の極端さが特徴。ヘミシンク瞑想はここから発達した瞑想のひとつ。

・日本式独自瞑想

すべての要素をミクスチャーした形で発展した瞑想。日本式の神が登場したり宇宙が登場したりする。すでにある様々な集合知の言葉を使っているので非常にわかりやすい。

 どの瞑想も指導者によって方向性や思想が違うので、一概にどれがいいとはいえばないが問題はこの先に潜んでいる。

 日本独自の瞑想ですべての宗教的要素をミクスチャーしたと聞くと、筆者がすぐに思い出すのはオウムだ。神道、仏教などの神秘的要素をすべてごちゃまぜにした漫画的なストーリー作りで、90年代の若者に急速に広がったことは記憶に新しい。もともとオウムはヨガの団体だったのだ……とはいっても既にオウム事件から25年を過ぎ、オウム自体を知らない若者は多い。

◆「無職ほど偉い」瞑想スクールのヒエラルキー

 女性であれば、すでにスピリチュアルやヨガに親しんでいる人が多いためハードルが低い。男性であればまず瞑想の教室を探すだろう。街でチラシを配っている瞑想スクールで良く目につくのはダイナミック瞑想という名前だ。

 ダイナミック瞑想は泣いたり叫んだりした興奮状態を作り、そのあと静的時間に浸る。かつて自己啓発セミナーに取り入れられたため日本では評判が悪いが、アメリカでは比較的ポピュラーな手法である。ストレスフルな生活で不満がたまっているサラリーマンにはある意味、非常に効果的だ。

 だが、瞑想道場やスクールを選ぶにはいくつかチェック点がある。

1.その団体が宗教や自己啓発セミナーとは無関係な健全な団体であるか。

2.健全であっても修行マニアが群れていないか。

 という点である。

 かつてアメリカ発の瞑想は「アウトオンリム」や「聖なる予言」といったニューエイジ本の流行により爆発的に広がった。アメリカ由来の自己啓発はニューエイジ思想から発展しているため、瞑想や自己暗示といった側面を多く含んでいる事が多い。

 瞑想とスピリチュアルは非常に密接な位置にあり、さもあれば混同させようとしてくる危険が潜んでいる。瞑想後は脳が開放された状態にあるため、するするとその情報が染み込みやすい。つまり勧誘されやすい状態になってしまうのだ。

 瞑想という入り口で高額セミナーを売りつける団体もある。アジア系ヨガ団体では、瞑想セミナーの後にお茶会があり、自己実現セミナーを高額な価格で勧誘していた。ヨガを入り口に瞑想と自己実現を合体させるというやり口だ。

 またオウム事件でも明らかにされたように、群れるようになると修業をするほどその集団では偉いという価値観が生まれだす。瞑想をステップアップと勘違いしている集団では瞑想をやればやるほど偉くなれるのだ。そして修行マニアが生まれてその場でヒエラルキーを作る。

 例えば、ある団体では10日間の沈黙を必要とする瞑想道場を行うが、通常の会社員ならそう簡単に長い休みは取れない。しかし時間さえあれば修行はできるので、時間が山のようにある無職のほうが修行者の間では偉くなりやすいという逆転が起こる。なかには10日間の瞑想を何度もするために会社を辞めるものまでいるそうだ。会社を辞めて実社会を離脱してしまうのが、瞑想の到達点だとしたら本末転倒としかいいようがない。

 また勘違いしやすいが、一般社団法人とあっても公的団体ではない。会社と同じ形で設立できるただの営利集団である。そのような名前がついているからといって、すぐに信用してしまうのは非常に危険だろう。

 瞑想をこれからはじめようとする初心者は、冷静に見極める眼を常に傍らにおいていないと、思わぬ穴にはまり込んでしまうかもしれない。

<文・小手平走歌>

ハーバー・ビジネス・オンライン

最終更新:5/19(金) 18:47
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