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初外遊の憂鬱、トランプはアメリカ料理しか食べられない!

ニューズウィーク日本版 5/19(金) 18:09配信

<コカコーラとファストフードをこよなく愛する大食漢のトランプは、訪問先の中東やヨーロッパで食べ物に困るだろう>

ドナルド・トランプ米大統領の食べっぷりは、100キロを超える若者のようだ。しかもホワイトハウスでは、注文ボタンさえ押せばよく冷えたコカ・コーラが運ばれてくる。

トランプは金曜から9日間の日程で、初の外遊に出発する。訪問先はサウジアラビア、イスラエル、ベルギー、イタリア、バチカンなど。当初トランプは日程を半分にしろと側近を怒鳴りつけるなど、あまり乗り気ではなかったようだ。トランプにとって更に悪いことに、どの訪問先にも、自分の好みを知り尽くしたトランプ・ホテルがないことだ。

トランプの食習慣についてざっとまとめてみよう。

■トランプの好物は1人前54ドルの乾燥熟成肉のステーキ。硬い肉が皿の上でカチコチ音を立てるほど、焦げるまでよく焼いたのが好きだ。豪快にケチャップをかけるのがトランプ流。

ハンバーガー好きは潔癖症だから?

■トランプは極度の潔癖症で有名だ。それは自分でも認めていて、彼が2013年にロシアのモスクワで宿泊したホテルに複数の売春婦を呼び、ベッドに放尿させて眺めたという噂が流れたときも、「私は潔癖症だ」と言って否定した。

潔癖症はトランプの食事にも表れている。彼のファストフード好きは有名で、定番はマクドナルドのハンバーガーとケンタッキーフライドチキン。昨年の大統領選中の対話集会で、好きなマクドナルドのメニューを問われたトランプは「ビッグマックは素晴らしい。クォーターパウンダーもね。あれはうまいぞ」と熱弁をふるった。

【参考記事】トランプは金正恩とハンバーガーを食べるのか?

トランプは塩辛く、脂っこく、見た目にもシンプルな食べ物を好むほか、調理法や衛生管理にもうるさい。トランプは前述の対話集会で「客に1個でも腐ったハンバーガーを出せば、店が潰れてしまう(から出さない)」と言った。「食材の出所もわからないような店で食べるより、ハンバーガーを食べるのが身のためだ」

【参考記事】商品化迫る、人工ハンバーガー
【参考記事】いつまで牛を殺すの?最先端バイオ技術で培養食肉を量産する日本発「Shojin Meat Project」始動

■トランプは焦げたステーキに飽きると、たまに魚やエビを注文する

■トランプは、2015年のアイオワ州特産品展でポークチョップの巨大な串刺しを食べた。とても上品な食べ物とは言えないが、あの豪快なかぶりつき方から想像すると彼の好みにピッタリはまったようだ。

preview of my next story: pic.twitter.com/8flDkK11NM— Tim Marcin (@TimMarcin) 2017年5月18日

ポークチョップにかぶりつくトランプ




ひよこ豆のコロッケ、ファラフェル。イスラエルのネタニヤフ大統領の好物だ zefirchik06-iStock.

そう考えると、今回の外遊はトランプにとってまさに悪夢だ。外国や異文化の料理を食べられるなんてうらやましいと思う人も中にはいるだろうが、トランプはいつもの食事にありつけないと癇癪を起こすほどこだわる男。外遊先の食事はさぞかし憂鬱だろう。

それでも、サウジアラビアでは晩餐会、イスラエルではベンヤミン・ネタニヤフ首相と私的な夕食会、フランスのエマニュエル・マクロン新大統領とはワーキングランチ、NATO(北大西洋条約機構)首脳らとは夕食会、そして最後にイタリアのセルジョ・マッタレッラ大統領との会食をこなさなければならない。

どの会食でもマクドナルドのハンバーガーは出そうにない。例えばネタニヤフはファラフェル(ひよこ豆で作ったコロッケのような中東の食べ物)専門店の常連で、たっぷりのフムス(ひよこ豆ペースト)と激辛ソースを挟んだサンドイッチを好んで注文する。イスラエルの日刊紙エルサレム・ポストがランク付けした本場イスラエル料理トップ5のうち、トランプが普段食べているものに近いのは、パンなどに挟んで食べる肉料理で中東のハンバーガーとも呼ばれる「ケバブ」のみだ。

メラニアの「手料理」なら

もっと苦労しそうなのは、サウジアラビアだ。かつてサウジ王室の晩餐会に出席したイギリスのチャールズ皇太子は、ラクダの丸焼きでもてなされた。

バラク・オバマ前米大統領は在任中、フランスのフランソワ・オランド前大統領とのワーキングランチで、ロブスターのフリカッセ(クリーム煮)とイタリアのアルバ産白トリュフ入りラビオリが有名なレストランに招かれた。マクロンもそのスタイルでもてなすつもりなら、トランプが行くレストランには、チキンフィンガーのようなお子様メニューはなさそう。

トランプがわずかでも食事を楽しむチャンスがあるとすれば、イタリアだろう。トランプはかつてメラニア夫人について、イタリア料理にヒントを得た独創的な料理を作れると称賛したことがある。「メラニアは想像力が豊かだ」とトランプは言った。「スパゲッティもミートソースも手作りをする」

メラニアはシチリア島に先回りして、シェフに夫の好みのレシピを教えたほうがいいかもしれない。

(翻訳:河原里香)

ティム・マーチン

最終更新:5/19(金) 21:22

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