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「今までとは意味が違う」北朝鮮の“新型ミサイル” 脅威の理由

5/20(土) 7:00配信

文春オンライン

「新型の弾道ミサイルの可能性がある」

 14日未明、北朝鮮が日本海に向けて発射したミサイルについて、稲田朋美防衛相は、そう語った。北朝鮮による弾道ミサイル発射は、今年7回目となるが、政府関係者は「今回は、今までとは意味が全く異なる」と語る。

「第一にタイミングです。発射当日は、中国の習近平国家主席が音頭をとった経済圏構想『一帯一路』に関する初の国際会議の開幕日。習主席のメンツを完全に潰した。国際社会では長らく“中国は裏で北朝鮮と握っているのでは”と囁かれていましたが、これで完全に決裂した」(同前)

 さらに韓国では、10日に対北対話路線をとる文在寅大統領が就任したばかりだった。

「文大統領は、発射を受けても『対話の可能性は開いてはいる』と語りましたが、いきなり出鼻を挫かれた格好です」(全国紙ソウル特派員)

 だが前出の政府関係者が注目するのは、ミサイルそのものの性能だという。今回のミサイルはロフテッド軌道という通常より高高度に打ち上げられ、高度2000キロに達し、約30分間飛行した。

「ロフテッド軌道だと落下速度が速く、迎撃が難しくなります。日米韓の情報筋の分析によると、射程距離は約4000から5000キロでグアムが射程に入る。だが、それより重大なのは固体燃料が使われた可能性がある点です」(前出・政府関係者)

 どういうことか。

「固体燃料は液体燃料に比べて、輸送が容易で、かつ注入に時間がかからないメリットがある一方で、爆発力は劣ると見られていた。もし固体燃料で、あそこまで飛ばす技術があるとすると、事態は深刻で、アメリカの政府関係者も衝撃をもって受け止めています」(同前)

 固体燃料を積んだミサイルを偽装コンテナ船で、ワシントンを射程に捉える場所まで運べば、新たな脅威となる。アメリカはどう出るのか。

「北朝鮮はミサイル発射で何とかアメリカを交渉の場に引っ張り出したいのでしょうが、トランプ政権は北朝鮮が越えてはいけない“レッドライン”を、米国本土への攻撃が可能な武力の保持と定めている。今回の一件はこれを越えた可能性がある」(同前)

 米朝対立は最終局面に入りつつある。

「週刊文春」編集部

最終更新:5/21(日) 18:03
文春オンライン

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