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八百長摘発のテニス不正監視団体、防止教育も徹底 選手証言「最近特に厳しい」

5/20(土) 9:58配信

THE ANSWER

三橋淳の八百長摘発したTIU、不正撲滅へ今年から導入していた取り組みとは?

 日本テニス界に激震が走った世界ランキング元295位、三橋淳の八百長関与による永久追放。05年ジュニアデビス杯U-16大会で錦織圭(日清食品)と日本代表でともに戦った27歳は、加えて5万ドル(約568万円)の罰金も科された。15年に行われていたとされる複数の不正を裁き、厳罰を与えたのが、「テニス・インテグリティ・ユニット(TIU)」だ。テニスの不正監視団体は、不祥事を暴くだけでなく、最近では選手に対する不正禁止に向けた教育を進めているという。

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 TIUはテニス界における八百長などの不正の調査機関として2008年に設立された。今年5月4日にはギリシャ人選手、コンスタンチノス・ミコスの八百長など4件の不正行為も告発し、永久追放処分を言い渡した。そして、テニスの賭博に関連し、2016年に292件の八百長に関連した疑いのあるベッティングが行われたという調査報告を発表するなど、不正摘発に断固たる姿勢を示している。

 一方で、TIUは選手に対しても不正を未然に防ぐための教えを説いている。

「TIUの不正取り締まりの活動は最近、特に厳しくなりました。テニス選手はIPIN(国際選手IDナンバー)と呼ばれるサイトで国際テニス協会に毎年、選手登録をします。このサイト上で選手の登録番号でパスワードを入力して、登録の手続きを進めるのですが、今年から大きく仕様が変化して驚きました。手続きに進む前に、自動的にTIUによるアニメーションがスタートしました。具体的なストーリーに沿って、このシチュエーションは不正かどうか、Q&Aで答えるという流れになります。選手は全選手共通でチェックを受けることになります」

 こう説明したのは、プロテニスプレーヤーの綿貫敬介だ。アニメの内容は実に具体的だという。

教育ムービー見なければエントリーに進めず「去年から本格的になった印象」

 プロの道に進んだばかりの選手がプロテニス選手に禁止されている試合結果を賭ける悪の道に進んでしまうストーリーだ。ギャンブルに手を染めてしまった主人公は試合の参加はおろか、観戦すら許されない永久追放となってしまった。「八百長の人間」と呼ばれ続ける苦悩、家族の悲しみなども描いており、プロ選手への自覚を促す内容になっている。

 ギャンブルに手を染めた選手がTIUから事情聴取を拒否したことで、罪が重くなり、テニス界での評判を一層悪化させるという内容のムービーも、選手に八百長問題解明への積極的な協力を促している。

 一つのムービーに対して「この行動は正しいのか」という質問が複数挿入されており、選手はチェックを入れる。そして、複数のムービーの最後に答え合わせが行われる。そうして、八百長に関連する不正行為を選手に教育しているという。誤答に対してはもう一度ムービーが流され、なぜ不正なのかという説明も改めて行われる仕組みになっている。

「去年ぐらいから本格的になった印象があります。八百長撲滅の教育ムービーを見なければ、エントリーフォームに進めません。テニス界から八百長のような問題はなくなってもらいたいです」

 綿貫はこう説明し、不正の撲滅を願っていた。

 TIUの年間予算は今季323万ドル(約3億6000万円)で、他のスポーツと比べると規模は依然として小さいというが、昨年は20万ドル(約2200万円)が不正防止のトレーニングと教育に使われた。不正を監視するだけでなく、実際に選手に対して徹底している教育も八百長撲滅に少なからず効果をもたらしているかもしれない。

ジ・アンサー編集部●文 text by The Answer

最終更新:5/20(土) 9:58
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