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ロシアゲートの衝撃 トランプ氏が罷免される可能性はあるのか

5/20(土) 16:14配信

オトナンサー

 2016年の米大統領選にロシアが関与したとされる疑惑「ロシアゲート」をめぐり、米司法省が「特別検察官」の設置を決めたことが、大々的に報じられました。

【3分でわかる動画】トランプ大統領が辞任する可能性は?

 特別検察官は、政権から独立した立場で政治スキャンダルに関する捜査を担当。ニクソン元大統領退陣につながった、ウォーターゲート事件の捜査を指揮したことで知られます。刑事訴追を含めた大きな権限を有しており、今回はモラー元連邦捜査局(FBI)長官が任命されました。

過去に弾劾された大統領は2人

 そこで、注目されるのが、トランプ大統領を辞任させるための、弾劾手続きをめぐる攻防です。弾劾は、大統領が重大な犯罪などに関与した場合に、下院(定数435)の過半数の賛成で発議され、上院(同100)の出席議員の3分の2以上が賛成すれば有罪判決が成立し、大統領は罷免されます。

 マネースクウェア・ジャパンの西田明弘チーフエコノミストによると、過去に弾劾された大統領は、1868年のジョンソン元大統領と、1998年のクリントン元大統領の2人のみ。しかし、いずれも上院が「有罪ではない」と判断しています。

 研修生との「不適切な関係」をめぐり、偽証と司法妨害に問われたクリントン氏のケースでは、偽証について上院議員50人、司法妨害については同45人が「有罪」としましたが、いずれも3分の2に届きませんでした。

 1974年のニクソン元大統領のケースは、弾劾が不可避という状況で、下院が弾劾を発議する直前の辞任でした。

 現在、野党・民主党はトランプ大統領の弾劾要求を強めており、与党・共和党内でも、保守強硬派「フリーダム・コーカス(自由議連)」のメンバーが弾劾の可能性について、「(疑惑が事実ならば)ある」と話すなど、理解を示す声が出ています。

共和党から19人の“造反”が必要

 それでは、トランプ大統領が辞任に追い込まれる可能性はあるのでしょうか。

「下院が弾劾を発議するとすれば、特別検察官による捜査で、大統領の不正な関与を示す重要証拠が出てきたタイミングでしょう。ただし、上院で民主党議員は48人。共和党から19人が賛成に回らなければ3分の2に達しないため、現状、弾劾裁判で有罪となる可能性は限りなく低いのではないでしょうか」(西田さん)

 ただし、トランプ大統領がロシアゲートに関して「宣誓証言」をさせられ、そこでの供述と事実に食い違いがあれば、司法妨害に加えて「偽証」についても嫌疑をかけられる可能性があります。「その場合、クリントン元大統領と同じダブルの疑惑となるため、有罪となる確率は上がるかもしれません。それでも、せいぜい1~2割ほどではないでしょうか」。

 市場では、トランプ政権の景気刺激策の実現が遠のいたとの見方から、株安・金利低下・ドル安が進行中です。こうした事態は、米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げペースに影響を及ぼすのでしょうか。

「政治動向がFRBの金融政策に影響を与えるとすれば、ロシアゲートが大幅かつ持続的な株安や、企業・消費者のマインド悪化などにつながり、FRBの経済見通しが修正される場合でしょう。現時点で、それを想定するのは時期尚早と思われます」

オトナンサー編集部

最終更新:5/20(土) 16:14
オトナンサー

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