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葬儀に様々な「おかしな演出」を展開する業者の経済的な背景

5/21(日) 7:00配信

NEWS ポストセブン

 4月24日にTwitterで、宗教学者の島田裕巳氏が〈昨日、最近の葬儀では、参列者に無理に遺体の顔にさわらせたり、遺族に参列者の前で湯かんをさせたりするものがあると訊いて驚愕した。〉と述べている。構成的すぎる演出がなされる「おかしな葬式」のひとつといえるが、島田氏がツイッターで指摘した「湯かん」も、限られた人だけでするのが常識だったが、昨今は事情が異なっている。

 遺体や遺骨の処置について記した『無葬社会』の著者である僧侶の鵜飼秀徳氏は言う。

「最近では通夜を省略して、葬儀と火葬を1日でやる『1日葬』が増えていますが、そこで本来なら通夜やその前に行なうことを葬儀に組み込むことがあります」

 そうした流れで、「湯かん」が葬式で行なわれることもあるのだ。

「家族や親戚以外の人もいる葬儀で、『最後のお別れです。ご遺体に触れてください』と演出されると驚いてしまいますよね」(同前)

 葬儀コンサルタントの吉川美津子氏も言う。

「お通夜でも、2~3時間前に到着していた遠い親戚のような方に、湯かんの業者さんが『お集まりの方もご参加ください』とスポンジを手渡して手や足の先を擦るように促してくることがあります。いくら親族と言っても何年も会っていない人もいるでしょう。その人は、故人がお風呂に入った姿など見たこともない。参加してくれと言われてもやはり抵抗があり、かといって断わるのも難しい状況なので、嫌な思いをされる方もいます」

 会場の設えでも参列者を驚かせることがある。その最たるものが「遺影」のデジタル化だ。写真の代わりにモニターが飾られ、そこに映し出される個人の映像は、読経中であっても次々に切り替わっていく。有限会社佐藤葬祭の佐藤信顕代表取締役も、そうした演出に戸惑う参列者は少なくないと言う。

「中には集合写真もあって、故人がどこに写っているのかが気になって、見送りに集中できなかった方もいます」

 結婚式のスライドショーのようなメモリアルビデオの上映も珍しくない。それに合わせて、葬儀スタッフや司会者が遺族に成り代わって原稿を読みあげるが、その口調は異様な盛り上がりを見せるのだという。

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