ここから本文です

【U20プレビュー】日本、南アの9番&10番を警戒せよ。現地記者が語るカウンターだけでない強み

5/21(日) 11:10配信

フットボールチャンネル

 U-20日本代表は21日、U-20W杯のグループステージ初戦で南アフリカと対戦する。決勝トーナメント進出に向けて重要な最初の試合はどんな展開になるだろうか。南アフリカをよく知る記者の証言などを元に予想する。(取材・文:舩木渉【水原】)

初戦の相手は南アフリカ 【U-20W杯】グループステージ組み合わせ

●「どちらがボールを支配するかが勝敗の大きな分かれ目に」

 日本にとって10年ぶりとなるU-20W杯の初戦が21日に行われる。対戦相手は南アフリカ。この試合に勝つか負けるかで、その後の戦い方が大きく変わってくる重要な一戦となる。

 17日から韓国入りしているU-20日本代表は、19日と20日の練習で戦術の確認に時間を割いてきた。前日記者会見で内山篤監督が「身体能力非常に高いということ、あとは前線のタレント含めて非常にスピード感がある。常にそういう部分をケアしながら、当然スペースを与えてピッチが広くなると厳しくなってしまうので、従来通りコンパクトにどれだけ粘り強く戦えるか」と、南アフリカの印象について語っていた。

 映像などで相手の戦術を確認しているという選手たちもほぼ同様の見解を示している。DF舩木翔は「サイドからごりごりきて、えぐってクロスからとか、結構足もとの技術もありますし、自分たちが経験したことのないところに足が伸びてくる」と、アフリカ人特有の身体能力の高さや強引さを警戒していた。

 GK波多野豪も「スピードやカウンターは速い」と指摘する。だが、U-20南アフリカ代表を知る現地メディアは少し違った見方をしていた。

 南アフリカのテレビ局『SuperSport』のルワジ・アンドリュー記者に話しを聞くと、「南アフリカは自信を持ってボールを持つことができる」と切り出した。

「日本はボールをスピーディに動かして、攻守の切り替えも速い。ただ南アフリカもボールポゼッションを高めて攻撃できる。どちらがボールを支配するかが勝敗の大きな分かれ目になるのではないだろうか」

●日本の南ア対策は? カウンターは要警戒

 おそらく日本は自分たちがボールを支配して、相手のカウンターに備える戦い方をイメージしていたはずだ。キャプテンの坂井大将は南アフリカの印象について「意外性のあるチーム」と語っていたが、実際に試合が始まってから見せる彼らの戦い方に面食らって手痛い一発を食らってもおかしくない。

 アンドリュー記者は「ボールを素早く動かしてくる日本のようなスタイルは苦手」と南アフリカの弱点についても述べた。つまり、日本に長い時間ボールを持たせたくない南アフリカとしては、同じようにボール支配率を高めようとしてくるのではないだろうか。

 日本は自分たちでボールを握ったうえで、両サイドを大きく使ったり、相手の最終ラインの裏を狙ったりする形を練習の中でチームに落とし込んできた。左サイドの三好康児童や右サイドの堂安律、あるいはサブから出番をうかがうことになるであろう遠藤渓太らが積極的に裏のスペースを狙い、ゴール前に速くて鋭いクロスを送る。

 ここで注意しなければならないのがカウンターだ。日本は攻撃時にボランチ2人のうち1人がペナルティエリア近くまで上がる形を試していた。アンドリュー記者は「南アフリカにはスピードのあるFWがいて、速い攻撃を得意としている。中盤より前では相手に大きなダメージを与えることができる」と語っており、前がかりになったところでカウンターを食らえば、ひとたまりもない。

●南アのキープレーヤーは9番と10番。欧州組の2人に注目

 そこで日本が潰しておくべき南アフリカのキープレーヤーは誰か。アンドリュー記者は2人の名前を挙げた。10番のルーサー・シンと9番のリアム・ジョーダンが攻撃の中心になるという。本来はパカナミ・マランビという危険なアタッカーもいたそうだが、負傷で今大会を欠場している。

 シンとジョーダンはともにヨーロッパでプレーしており、前者はポルトガル1部ブラガのBチーム、後者は同じくポルトガルの名門スポルティングCPのBチームに所属している。南アフリカの選手の中で数少ない海外組だ。

 アンドリュー記者曰く「ルーサーは小柄だがスキルフルで、ゴール前で非常に危険なスコアラー」で、ジョーダンは「大柄でダイナミック、本当に危険」とのこと。U-20南アフリカ代表の練習を見たところ、かなり小柄な選手が多く、ジョーダンもそれほど大柄には見えなかった。

 スポルティングCPのBチームではほとんど公式戦に絡めていないが、ヨーロッパでの経験は南アフリカに大きな自信をもたらすはず。ジョーダンを頼ってボールを集めてくるとなれば、日本のDF陣はその高さと強さを警戒しなければならない。

 相手に高さがないとはいえ、日本はカウンター時のロングボールをケアし、セットプレーで優位に立つため身長186cmの板倉滉をボランチで起用する可能性が高い。ジョーダンにボールが渡る前に中盤でパスをカットできれば、南アフリカの勢いを削ぐことができる。

 カウンターを警戒し、ボールを動かして主導権を握りたいの日本と、相手にボールを支配されることを恐れ、前線のスピードを活かすためにボールを持ちたい南アフリカ、互いに重要なグループステージ初戦は2つの異なるポゼッションサッカーが激突する興味深い一戦になりそうだ。

(取材・文:舩木渉【水原】)

フットボールチャンネル

記事提供社からのご案内(外部サイト)