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香川らが生み出した左サイドの“新機軸”。カップ決勝に向けドルトに新たな武器

5/21(日) 11:51配信

フットボールチャンネル

 ボルシア・ドルトムントは現地時間20日、今季ブンデスリーガ最終節となったホームでのブレーメン戦に4-3の勝利を収めた。香川真司、マルコ・ロイス、ラファエル・ゲレイロが見せた左サイドでの新たなコンビネーションは、来週のドイツ杯決勝でも大きな武器となりそうだ。(取材・文:本田千尋【ドルトムント】)

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●撃ち合いの最終節、香川はアシスト記録

 左サイドに“新機軸”が生まれた。2017年5月20日のブンデスリーガ第34節、ボルシア・ドルトムントはホームにヴェルダー・ブレーメンを迎えた。試合後に香川真司が「劇的にスタジアムも盛り上がった」と感じたように、今季の最終戦は派手な撃ち合いとなった。

 7分、左サイドを急襲されたドルトムント。ゴール前の混戦から最後はユノゾヴィッチに先制を許した。しかしDFソクラティスが「僕らは勝たなくてはならなかった」と振り返るように、来季チャンピオンズリーグ本戦の出場権が掛かっていた。何よりホーム最終戦。駆けつけた8万近いファンのためにも、下を向いている暇はない。反撃を開始する。

 そんな状況で香川は、逆転に向けて力強いプレーを披露した。ピッチ上で繰り返されるシザーズ。香川の上体はブレない。ここに来てコンディションはさらに上向きのようだ。そして「相手もそこは緩かった」と言うように、香川は比較的バイタルエリアで前を向いてボールを持つことができた。ブレーメンはその攻撃力を活かすために、2トップの守備が免除されたチーム。中盤は間延びし、よって後方の守備はどうしても緩くなる。

 32分。中盤の底のヌリ・シャヒンから、エリアの手前の香川に縦パスが入る。すかさず香川はロイスにスルーパス。ロイスが決め切る。香川が「練習通りに繋がった」と振り返る“ホットライン”が機能して、ドルトムントは同点に追い付く。42分には、しっかりとキープした香川からボールを預かったデンベレが、オーバメヤンに浮き球のパス。得点王争いの渦中にあるFWは、これをダイレクトで豪快に突き刺した。“23番”の抜群の安定感が、ドルトムントを逆転に導いた。2-1。

 もっとも、ヨーロッパリーグ出場の可能性が残されているブレーメン。敵もこのまま引き下がらない。後半開始からFWセルジュ・ニャブリが投入される。昨夏アーセナルから加入したアタッカーとクルーゼによる鋭いカウンターに、ドルトムントは何度も手を焼いた。香川も「すごくカウンターは脅威でした」と感嘆した。

「(ブレーメンは)良いチーム。後半戦はあれだけ調子が良いのを証明していた。クルーゼもすごくやはりキレがあって、キープ力もあって、あそこで収まっていたので。ウイングもスピードがある選手が多かった」

 46分と68分のブレーメンのカウンター。クルーゼの1G1Aで同点に追い付かれ、勝ち越されてしまう。2-3。再びの逆転を目指すドルトムント。

●香川、ゲレイロ、ロイスのパスワークが光る

 そんな目まぐるしいシーソーゲームの中で、光ったのは左サイドのコンビネーションだ。香川は「次のポカール決勝でも見せていきたい」と口にする。

「ラファ(エル・ゲレイロ)とマルコ(・ロイス)と。あそこで良い距離感でやれれば、まあ、ある程度の相手であればやれるんじゃないかと手応えを感じたりする」

 日本代表とポルトガル代表とドイツ代表が打ち出す“新機軸”。既に香川は前節アウクスブルク戦の後でも言及していたが、香川とゲレイロとロイスのパスワークは、左サイドから何度もブレーメンを脅かした。

「良い感じで崩せたので、そこからもっとゴールを取るべきだったと思うんですけど、すごくやっていて面白かったですし、あの感覚は大事にしたいなと思います」

 元々ロイスとは相性の良さを見せていた香川だが、シーズンも終わろうとするここに来て、さらにゲレイロも加わって好パフォーマンスを発揮している。「すごくやっていて面白かった」という香川のコメントからは、高い技術を持つ3人がイメージを共有し、自然な連携を実現できていることが伺える。前半戦はインサイドのポジションを争ったゲレイロとも、今ではすっかりピッチ上の盟友だ。85分には中央の香川から左サイドのゲレイロ、そしてゴール前のロイスへと、大きな三角を描くダイナミックなパス交換を見せた。この“新機軸”を香川は「次の決勝でも見せていきたいと思います」と意気込む。

 最終的には相手の不安定な守備を破壊し、75分と89分に2本のPKを獲得したドルトムント。ロイスとオーバメヤンが決めて2度目の逆転に成功し、ブレーメン戦を4-3で勝利する。先月のチームバスが狙われた爆発事件で負傷したDFマルク・バルトラは見事復帰し、オーバメヤンはブンデス得点王に輝いた。

 香川も安堵の様子である。

「やっぱりここを勝ち切りたかったですし、もちろんポカールの決勝があるので、ホームで負けるわけにも行かなく、3位で終わらないといけない状況だったので、それはみんなが理解していた中で、最後、良い結果で終われたんじゃないかなと思います」

 最後の最後に大団円を迎えたドルトムント。1週間後のポカール決勝に向けて、左サイドに新たな武器を手に入れた。

(取材・文:本田千尋【ドルトムント】)

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