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酒井が決勝点の起点に! ハンブルク、劇的な残留決定でクラブの偉大な伝統を死守!!

5/21(日) 1:39配信

SOCCER DIGEST Web

決勝点の起点となったのは最後尾からの酒井のロングパスだった

 5月20日、ブンデスリーガ最終節が行なわれ、ハンブルクは2-1でヴォルフスブルクを下した。

 勝点差2で迎えた15位と16位の直接対決。下位のハンブルクは引き分け以下で2部リーグ3位との入れ替え戦に回ることになり、勝てばヴォルフスブルク、もしくは得失点差によって14位のアウクスブルクが16位に落ちることになる。

 ドイツでは唯一、一度も降格を経験していないハンブルクの降格圏脱出を期待するファンの熱気がホームスタジアムのフォルクスパルクを包んだが、試合開始から攻め込んだのはヴォルフスブルクだった。

 サイドからの攻略を狙いながら、中央ではトップ下のマッリが好パスを配球し、前線ではゴメスが強さを見せるアウェーチームは、何度かペナルティーエリアにも侵入し、23分にはゴメスが角度のない位置からきわどいダイレクトシュートを放った(GKマテニアが辛うじてセーブ)

 この攻撃の流れから、23分、ヴォルフスブルクはロングスローを入れ、クリアされたボールをユンクがダイレクトボレーでクロス。これを中央でクノヘが頭で合わせ、GKの手が届かないゴール左上隅に流し込んで、先制ゴールを奪った。

 残留に大きく前進したアウェーチームに対し、成す術のないハンブルク。守備陣が奮闘するも、奪ったボールを繋げることができず、敵陣ペナルティーエリアにすら近付けない。前線にロングボールを放り込む攻撃は確率の乏しいもので、次第にスタジアムは活気を失っていった。

 しかし、ひとつのプレーが空気を変える。32分、ヴォルフスブルクのヴォルシャイトが自陣で縦パスを送ろうとしたところを、ハンブルクは複数の選手が寄せてカット。ウッド→ホルトビーと渡り、彼の浮き球のパスを走り込んだフリーのコスティッチがダイレクトでシュートし、同点ゴールを挙げた。

 最初のまともな攻撃、そして最初のチャンスでホームチームが追い付くと、再びスタジアムは盛り上がり、これに後押しされてチームも躍動。主導権を奪い返すと、それまでの展開が嘘のようにヴォルフスブルク・ゴールに迫っていく。

 36分にはカウンターからミュラーが倒されて好位置でFKを得、44分にも右SB酒井が絡んだサイド攻撃から好機を掴んだハンブルク。逆にアディショナルタイムには、ルーズボールを奪われてマッリに独走を許したものの、シュートが枠を外れたことで事なきを得た。

 後半は、勝ち越しを狙うハンブルクが積極的に仕掛け、1-1のままでも良いヴォルフスブルクはこれを自陣ではね返しながら、カウンターのチャンスを窺い続ける。

 ハンブルクは再三、良いかたちでボールを奪うが、ここからのプレーがいただけない。長短のパスは精度を欠き、判断も拙く、見る者にもったいないと溜息をつかせる場面が続く……。その点、ヴォルフスブルクは、カウンターのチャンスではしっかりパスを繋ぎ、良いかたちを作り出した。

 攻めながらも、得点には遠いプレーに終始していたハンブルク。残り時間が少なくなり、選手には苛立ちの表情も浮かび始める。この頃には酒井も積極的に前に出て、85分にはカットインからウッドに縦パスを通したが、これもゴールには結び付かない。

 しかし、疲れのせいかプレッシングの弱まっていたヴォルフスブルクに対し、88分、酒井が最終ラインから左サイド深くに縦パスを送る。この試合、彼はなかなか良いボールを味方に出せなかったが、ここではコスティッチがゴールライン手前でボールに追い付く。

 そして、これをゴール前に送ると、反対サイドで待っていたヴァルトシュミットが頭で合わせ、待望の勝ち越し点を奪った!

 喜びに沸くスタジアムのなかで、残り時間はヴォルフスブルクの猛攻に大半が費やされる。アディショナルタイムには、GKからのロングキックをゴメスが落としたところをアーノルドが拾って決定的なシュートを放ったが、好守を連発したハンブルクの守護神、マセニアがこれも防いだ。

 タイムアップの瞬間、ハンブルクは残留決定の喜びを爆発させる。アディショナルタイムに追い付いて首の皮一枚繋がった前節のシャルケ戦同様の劇的な展開によって、彼らは望んでいたエンディングを迎え、クラブの伝統を守り抜いた。

 一方のヴォルフスブルクにとっては、今シーズンを象徴するような悪夢の結末に……。優秀な選手を揃えながらもチームとして機能せず、冬にはマインツからエースのマッリを獲得するなどの補強を施したが、最後まで調子は上がらず、16位に転落。生き残りを懸けて、入れ替え戦に臨むこととなった。

最終更新:5/21(日) 12:50
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