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日経平均2万円超えと「日銀介入」の“反動”

5/22(月) 7:00配信

文春オンライン

 日経平均が2万円に近づいている。

 もしアベノミクスなるものが(本当に存在し)機能していたら……今頃は3万円を超えていただろうと私は考えている。

 アベノミクスは三本の矢で構成されるとされた。

(1)日銀による金融緩和(暗黙の円安誘導目的を持つ)
(2)機動的財政の出動
(3)規制緩和・構造改革の推進

 以上の項目をよく見るとバブル崩壊後、各政権が景気対策として掲げて来ていたことと何ら変わりはない。

 しかしその後も「アベノミクス」と言われ続けている。

(1)の金融政策が際立っていて、その一本足打法こそがアベノミクスと見られているからだ。

 日銀による金融政策はそれ以前のものとは規模も方法も異なる“異次元”のものだった。

 第二次安倍内閣によって自民党が政権に返り咲く直前、民主党政権のあまりの酷さに株式市場は低迷、日経平均は8000円台だった。それが“異次元金融緩和”による急速な円安の顕在化で底打ち反転を見せた。しかし、残念ながらそこまで……。

(2)の機動的財政出動は過去行われたものと規模も内容も変わらず、株式市場が持続的成長へ向け本来的に期待した(3)の規制緩和・構造改革といえば……これも経済活性の推進役となるものは何ひとつ出ては来なかった。もし(3)に期待通りのものが出ていれば……今頃、日経平均は3万円を超えていたというのが私の持論だ。

投資環境を「要素分解」して考えると

 今、改めて日本株への投資を根本から考えてみたい。

「株式投資は科学である」

 私はファンドマネージャー時代からずっとそう主張をし続けきた。では、科学とは何か?

1.数値による分析
2.要素への分解

 これが成り立つことが科学の定義だ。では株式投資においての数値分析にはどんなものがあるか。これにはEPS、PER、PBR、移動平均、伸び率、EVA、EBITDA……数えきれないほどの投資関連数値や分析手法がある。

 では、2の要素分解のほうはどうか?

 たとえば、定率成長配当割引モデルによる……株価=配当÷(期待収益率-配当成長率)などはその一つとなるが……実は極めて例は少ない。だが私は常に“要素”に分けて株価を考えて来た。それが投資の長期的な好結果に資すると共に経済や企業の本質を捉えられることに繋がるからだ。

 では今の日本の株を取り巻く投資環境を“要素分解”するとまず何が見えるだろうか。

 投資には主体が存在する。我々は往々にして株そのもの、つまり客体に目が行きがちだが投資とは主体と客体があって成立することを忘れてはならない。

 投資環境認識への“要素分解”はそこから始めることが重要なのだ。

 第二次安倍内閣誕生後のいわゆる「アベノミクス」状況下の日本は投資の主体が過去とは大きく異なっている。個人投資家、機関投資家という伝統的な主体に加え、別の存在がそこに大きくあるのだ。

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最終更新:5/22(月) 7:00
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