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ホワイトリスト作成は、刺身の上にタンポポを乗せる仕事?:ブランドセーフティに対する次善策

5/22(月) 7:10配信

DIGIDAY[日本版]

専門広告エージェンシーのサイバーエイジア(Cyverasia)でデジタル広告オペレーションスペシャリストを務めるステラ・ジアン氏は、2017年の年明け早々からブランド向けにサイトのホワイトリストを作りはじめた。ポルノやテロリストの動画の横に広告が掲載されないようにするためのもので、華やかさはないがデジタル広告では極めて重要な仕事だ。ジアン氏は通常、キャンペーン第1週のあいだ、クライアント1件につき1日400~500の信頼できるサイトを、Google Adwordsを通じて手作業で選択。このプロセスに大抵3時間強をかけている。

「ホワイトリスト構築は実に長い時間を要する。Webサイトを手作業でクリックして、適切なサイトだと確認する必要があるからだ」と、ジアン氏は語る。同氏は現在3社のホワイトリスト作成に当たっているが、もともとはインターンだった。「最高に楽しい仕事ではないのは確かだ。1日の終わりには目が見えなくなりそうな気がする。だが、当社のキャンペーンが有効なトラフィックを呼び込むようにするためには、これが不可欠だと思う」。

キャンペーンは通常1カ月間続くので、ジアン氏は各キャンペーンのホワイトリストを更新する。ホワイトリストを決めるのは、ブランドではなくジアン氏や同氏のマネージャーだ。サイトが信頼できる適切なものかどうかの判断は主観的になることがある。ブラックリスト作成と似ているのだ。ブラックリストの場合、サイトを「ヘイトスピーチ」と見なすべきかどうかは、リスト作成者の政治スタンスによって左右される。大半のエージェンシーは左よりの傾向がある。ジアン氏自身は、政治に関心がないと述べている。

増えるホワイトリスト戦略

この記事のために取材したエージェンシーとベンダーは、大半がホワイトリスト作りの専門職を設けておらず、請負業者、駆け出しのアナリスト、キャンペーンマネージャー、あるいはジアン氏のような広告オペレーションスペシャリストが担当していた。たとえばJPモルガン・チェース(JP Morgan Chase)は、インターン1名に手作業で約5000サイトのホワイトリストを作成させたと報じられている。

いまでは、ほとんどのエージェンシーが、ブランドセーフティを確保するため世界規模のブラックリストを擁している。しかし、ブラックリストには問題点がある。新しいドメインの作成がかつてないほど容易になっているなか、稼働期間が極めて短い広告のスピードにエージェンシーが対応できていないのだ。そのため、フェイクニュースやGoogleの広告スキャンダルを受けて、ホワイトリスト戦略を検討するブランドは増えてきていると、この記事のために取材した情報源は語った。

「ホワイトリストは簡単に済ますこともできるが、デマンドサイドプラットフォームで過去の広告パフォーマンスを追跡し、第三者の検証プラットフォームを雇って自社専用のリストを作るなど、手間をかけることもできる」と、匿名のエージェンシー幹部は指摘する。「我々のエージェンシーは、一元化されたチームにブラックリストを管理させる一方で、各アカウントチームがホワイトリストを独自に管理してアプローチを判断している」。

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