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人工知能でガン早期発見へ。ニューラルネットワークは医療を変えるか

5/22(月) 8:20配信

WIRED.jp

人工知能が写真から判別できるのは、もはや人間やネコの顔だけではない。レントゲンやCTスキャンの結果から、ガンの兆候まで発見できるようになりつつある。まだ人間の医師にはかなわないとはいえ、そう遠くない未来はニューラルネットワークによって病院の運営が激変するかもしれない。

「ニューラルネットワークが何なのかわかる!?」チャート図

ワン・シャオカン(王小康)は、スタートアップ企業「Infervision」(北京推想科技)を立ち上げ、X線画像を読み込んで肺ガンの早期兆候を特定するアルゴリズムをつくっている。ワンによると、同社の技術はすでに4カ所の中国最大級の病院で実用化されているという。そのうち2つの病院では単にテストを行っているだけだが、残りの2つの病院(上海にある上海長徴医院と同済病院)では、その技術が完全に導入されている。「このアルゴリズムはすべての医師のマシンにインストールされているのです」とワンは言う。

もちろん、この技術を医師たちが実際どの程度利用しているかは、また別の問題だ。人工知能を医療の世界に導入するというアイデアはまだ始まったばかりだが、それでも広がりつつある。

インドにある2つの病院では、現在Googleが眼球のスキャンで糖尿病性失明の徴候を特定する技術をテストしている。2017年5月、データサイエンスのコンペティションサイトであるKaggleは、CTスキャンで肺ガンを検出する機械学習モデルの構築を競うコンテストの優勝者を発表した。賞金100万ドルのこのコンテストには、1万人以上もの研究者が参加していた。優勝したアルゴリズムは、国立癌研究所の作業を読み込み、肺ガンをより迅速かつ効果的に診断する。「わたしたちはこうしたソリューションをさらに進化させたいと思っています」と、同研究所のプログラムディレクターを務めるケイヴァン・ファラハニは話す。

「このようなAIを各地の病院に大規模に導入することは、依然として非常に困難です」。そう語るのはワイルコーネル大学医科学大学院教授の医師ジョージ・シーだ。シーはKaggleのコンテストに参加した企業MD.aiの共同設立者でもある。この技術を既存のシステムや日常業務に導入するだけでも大変なのはもちろんのこと、必要なデータすべてを集約するのは非常に難しい。しかし、シーはいまつくられている最高のアルゴリズムはすでに商品化に耐えうるほど正確だと信じている。「おそらく、より大規模に導入されるまで、わずか数年しかかからないでしょう」とシーは語る。

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最終更新:5/22(月) 8:20
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