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世界陸上日本代表で最速タイム、井上大仁が東京マラソンで試したこと

5/22(月) 8:10配信

webスポルティーバ

【男子マラソン界の星・井上大仁 前編】

 昨年のリオデジャネイロ五輪では、佐々木悟(旭化成)の15位が最高成績に終わった日本男子マラソン。2020年の東京五輪に向けて新たなスタートとなる今年、8月にロンドンで開催される世界陸上選手権の代表には、34歳の中本健太郎(安川電機)と30歳の川内優輝(埼玉県庁)に加え、社会人3年目の24歳・井上大仁(ひろと/MHPS:三菱日立パワーシステムズ)が選ばれた。

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 3人の中でのトップタイムは、2月の東京マラソンで日本人トップの8位に入った井上の2時間08分22秒(日本歴代22位)。初マラソンとなった昨年3月のびわ湖毎日マラソンを2時間12分56秒で走った井上が、2度目のマラソン挑戦となった東京で意識していたのは2時間07分台で、展開次第では2時間06分台も視野に入れていたという。

「東京では5km15分前後のペースでどこまで押せるかを試したかったので、1km2分58秒のペースメーカーにつく予定でした。でも、スタート直後から彼らが先頭のペースメーカーについていってしまい、5kmの通過が14分15秒という速いペースになってしまった。『このままいくしかない』と、近くにいた(ヨハネス・)ゲブレゲルギシュ(エリトリア)と一緒に前を追いかけたんですが、10kmの通過が29分13秒と速いままで。設楽悠太さん(Honda)はそのままいったんですけど、自分は厳しいと思ってペースを落としてしまいました」

 その後はゲブレゲルギシュと並走しながら粘り、失速した設楽を38km付近で抜いて日本人トップにはなったものの、「我慢できたこと以外は弱さを感じる結果でしかなかった」と井上は反省する。

「タイムは2時間08分22秒でひとまず形にはなりましたが、38kmで設楽さんを離すためにスパートをかけた後は足が動かなくなって、勝負できる力が残っていませんでした。最後の2kmでゲブレゲルギシュに置いていかれたのも悔しいです。川内さんや中本さんならそこでギアを変えていくし、最後の最後に追い切れる力がないと世界選手権では勝負にならない。そこが7分台に届かなかった原因だと思っています」

 理想としては、かつて2時間6分台を記録した藤田敦史や犬伏孝行、高岡寿成のように5km15分前後で最後まで押していくレースをしたかったという。

「そういうレースができるようになった上で、最初の10kmが29分前半になっても抑えずに1km3分弱のペースで走れる力を上積みしたいです。設楽さんが東京でやったようなレースをしても最後までついていける力があれば、五輪や世界選手権のように前半は遅いペースで後半に一気に上がるレースにも対応できるんじゃないかと。

 欲張りすぎだと言われるかもしれないですけど、記録や順位はもっと伸ばしたかったですね。東京では自分の前に7人も選手がいて、1位と約4分半も離されてしまった。黒木純監督は『持っている力は出し切れた』と評価してくれましたし、世界選手権も現状の力でうまく組み立てて戦うしかありませんが、さらに上の次元で勝負するためにはもっと力をつけることが不可欠だと痛感しました」

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