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話しやすい環境でも部下が意見を言わない、本当の理由

5/23(火) 19:10配信

コーチ・エィ

「この部下は、なかなか意見を言わないな・・・・・・」

そう思ったことのある上司は少なくないと思います。では、部下はどんな時に、どんな理由で上司に意見を言わないのでしょうか?

昨年末、コーチング研究所がメールマガジンの読者を対象に行ったアンケート結果があります。(※1)

部下が上司に率直に意見を言わない理由とは?

「あなたが上司へ率直に意見を言わない場合の主な理由は何ですか?」

結果の1位は 「伝えても何も変わらないから(31%)」でした。「上司と部下」が共に働く関係だとすると、とても寂しい結果だと言えます。

この回答に添えられたコメントのひとつには、「過去に自分の考えを伝えたが、聞こうとする姿勢が見られなかった。それが何度も続き、意見することが少なくなった」というものがありました。

上司が部下の意見を無視し続ければ、こんな状態になってしまうのは当然のことです。その場合は、上司の対応そのものを変える取り組みが必要でしょう。

しかし、上司が普段から部下の意見を聞き、職場全体が提案しやすい風土であっても、意見を口にしない部下もいるかと思います。

4月に異動してきたメンバーも、新しい職場で1ヶ月。そろそろ環境に慣れて意見を言うようになってもおかしくない。それなのに、全然自己主張がない。

そんな部下にもどかしさを感じている人もいるのではないでしょうか。

こうした時に起こりがちなのは、「この部下は意見を言わない性格なのだ」と周囲が諦めてしまうことです。

しかし、実はそうではないかもしれません。部下が意見を言わないのは、心理学用語でいう「学習性無力感」というものが背景にある可能性もあるのです。

行動を阻害する「学習性無力感」とは?

「学習性無力感」とは、心理学者のセリグマンが提唱した概念で、イヌに行った実験が有名です。(※2)

実験では、イヌが自分ではコントロールできない状況にした上で、繰り返し電撃を与え続けます。その後、逃避できる環境に移動させ、再び電撃を与えます。すると、環境が変わったにも関わらず、イヌは電撃から逃れることなく、痛みに耐え続けたそうです。

逃げることができるかどうか、ではなく、「自分にはこの痛みをコントロールすることができない」と学習してしまったことが、「逃げる」という行動をやめさせてしまったのです。

「学習性無力感」の実験は、イヌだけでなく、さまざまな動物でも立証されました。マウス、金魚、ネコ。そして、人間でも同じパターンが確認されたのです。

イヌのように、電撃から逃れずじっと座って耐えるようなことが、人間でも起きるということです。

あらためて、上司に意見を言わない部下のことを考えてみましょう。

「こうしたらもっと上手くいくはず」
「自分はこんな仕事をしたい」

こうした意見を伝えずに口に封をすることで、部下はストレスを感じているはずです。

しかし、「上司に話しても無駄だ」という過去の学習から、電撃から逃げなかったイヌと同じように、意見を口に出さずに耐えることを選び続けてしまいます。

意見を言いやすい職場風土にありながら意見を言わない人は、「意見を言わない性格」なのではなく、過去の学習から「学習性無力感」に陥っている可能性もあるのです。

では、どうやったら「学習性無力感」を打破できるのでしょうか?

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最終更新:5/23(火) 19:10
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