ここから本文です

【いいね!源泉かけ流し】湯口から、足元から、透明な美肌湯があふれる!

5/23(火) 13:30配信

旅行読売

岩井屋(鳥取・岩井温泉)

 鳥取県東端の岩美(いわみ)町で1200年の歴史を持つ古湯、岩井温泉。宿は3軒、共同浴場が1軒という小さな温泉地ながら、湯船には常に新鮮な湯があふれている源泉かけ流しの里だ。
 江戸末期創業の岩井屋は、湯口からかけ流す湯に加え、足元からも源泉が湧き出るという「源泉長寿の湯」が名物。主人の山田耕平さんによると、足元湧出の風呂が主流だった頃の井戸が湯船の下に今も生きているという。
 「先代の話では、昔は湯量が減るたびに湯船の底を掘り下げていたそうです。私の幼い頃はすでに今と同じ1メートルほどの深さがあり、当時は入るのが少し怖かったですね」と、山田さんはふり返る。
 湯船の中に目を凝らすと、底に敷かれた松板の隙間から気泡が一つ二つと浮かび上がる。別の場所でも水面が少し盛り上がり、ふわっと水紋を広げている。底から湧く湯量は多くはないが、地中の泉源とつながった湯船に入れるとは神秘的だ。
 湯口から出る湯は、岩井温泉区の温泉管理機構が集中管理しているもの。宿の隣の共同
浴場に設置された温泉タンクから、一度も空気に触れることなく配湯管を通って浴槽まで
運ばれる。こちらも新鮮で飲泉もできる。

主人が毎日入浴し、肌で確認。職人技で快適な泉温を生む

 「いい温泉だからこそ、源泉そのままの湯につかっていただきたい」と、岩井屋では加水も加温もせずに浴槽の泉温を42度~43度に保っている。これが決して簡単ではないのだ。湯口の泉温はおよそ45度~46度。その日の気温や天候などで湯の冷め方が変わるため、1日数回温度を測るたびに天気の変化を予測しながら、かけ流す湯量を調整している。深夜には山田さん自らが入浴して、浴槽からあふれ出る湯の量、風呂の清潔度なども
細かくチェックするという。
 そんな湯守の職人技と愛情が詰まった湯に身を委ねてみた。無色透明でさらっとしており、驚いたのは湯と肌のなじみ具合だ。みるみるうちに肌がしっとりとして、足先もじわじわと血行が良くなって気持ちがいい。立ち上る湯気にはほのかに鉄分、石膏臭が漂い、湯口から出る温泉を飲むとわずかに塩味がある。なんと豊かで優しい湯だろう。
 浴室は換気が十分で、湯気がこもらないのも快適だった。
 夕食は、鳥取民芸の器に鳥取の海の幸と山の幸がたっぷり。5月末まではモサエビ、6月になると白イカや岩ガキが旬を迎える(対象プランは1泊2食2万1750円~)。タラの芽やコゴミなどの山菜は、近くの山で摘んでくるという。春の香りとほのかな苦みを天ぷらなどで味わいながら会話も弾む。
 民芸調の館内には山野草が飾られ、これまた雰囲気がいい。ゆったりとした時間が流れ、心底リラックスできる宿だ。

文・写真/はるのいづみ

■温泉データ
泉質:カルシウム・ナトリウム―硫酸塩泉
適応症:動脈硬化症、切り傷、皮膚病など
泉温:49.8 度
湧出量:630リットル/分
ペーハー値:pH7.1
飲泉:可
加水:なし
加温:なし

岩井屋
電話 0857・72・1525
住所 岩美町岩井544
料金 1泊2食1万6350円~
交通 山陰線岩美駅から蕪島行きバス10分、岩井温泉下車すぐ/鳥取道鳥取ICから国道9号経由22キロ

最終更新:5/23(火) 13:30
旅行読売

記事提供社からのご案内(外部サイト)

旅行読売11月号

旅行読売出版社

2017年11月号
9月28日発売

540円


第1特集 紅葉を見ながら 古道・街道をゆく
第2特集 酒蔵・ワイナリーへの旅

Yahoo!ニュースからのお知らせ