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湖が消えた… 中米「乾燥回廊」に最悪級の干ばつ

5/23(火) 18:39配信

ナショナル ジオグラフィック日本版

干上がったグアテマラのアテスカテンパ湖、気候変動が一因か

「湖が丸ごと干上がったのを見たら、泣きたくなりますよ」――グアテマラのアテスカテンパ湖岸で、17歳の漁師ウィルマン・エストラーダさんがAFP通信に語る。

【動画】消えた湖、グアテマラのアテスカテンパ湖

 この数年、エストラーダさんやこの地域の人々は、かつては豊かだった湖が、泥の水たまりがいくつか残るだけの場所になっていくのを目にしてきた。今では、貝殻と動けなくなった小舟が湖底に散らばるばかりだ。

 AFPのカルロス・マリオ・マルケス氏のレポートによれば、アテスカテンパ湖ではこの2年間干ばつが続いており、この町の漁業と観光産業は事実上、壊滅状態にある。

 AFPのビデオレポートでは、「食糧不足のために死にかけている子どもがいます」とヘクター・アギーレ氏が述べている。アギーレ氏は、中米の先住民コミュニティ擁護団体マンコムニダード・トリナシオナルと共に、アテスカテンパでの救済活動に尽力している。グアテマラではこの10年間に、栄養不良状態にある5歳未満の子どもの率が上昇した。

「この問題が一目でわかる写真はありませんが、中米人にとっては恥ずべきことです」とアギーレ氏は話す。

干ばつの10年

 アテスカテンパ湖は、中米の「乾燥回廊」として知られる、グアテマラからパナマにかけての西部地域にある。この地理的な要因のために、周期的に海面温度が上昇する「エルニーニョ」の影響を特に受けやすい。この現象の結果として、乾燥回廊を含む一部の地域では、雨期の降水量が例年より少なくなることがある。ただ、この地域が現在見舞われている干ばつは、過去10年間で最悪レベルのものである。

 2013年に『ネイチャー』誌に発表された研究では、温室効果ガスの大気への排出が続けば、エルニーニョの発生頻度が増える可能性があると予測されている。

 長期的に記録したデータがないため、気候変動がアテスカテンパ湖の枯渇の原因であると断言することは難しい――こう話すのは、米テュレーン大学の科学者であり、ナショナル ジオグラフィックが支援するミャー・シャーマン氏だ。アマゾン地域社会における干ばつと洪水の影響について研究している。

 資源の採取や不適切な農業慣行など、その他の人間の活動にも問題があるかもしれない。とはいえ、気候変動が一因である可能性は高い。「気候変動の結果、ラテンアメリカでは不安定な気候や異常気象が全般的に増加することが予想されます」とシャーマン氏は述べている。

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