ここから本文です

英国がこの135年間で初めて石炭火力廃止デーを実施

5/23(火) 20:10配信

ライフハッカー[日本版]

Inc.:かつてのロンドンの住人たちは、空を埋め尽くす濃厚で黄緑がかった霧と霞を“pea souper(豆のスープ)“と名付け、チャールズ・ディケンズ(1800年代ヴィクトリア朝次代を代表するイギリスの小説家)の作品に独特な世界観をもたらしました。


悪名高いその濃霧は粒子状の物質と石炭燃焼による二酸化硫黄が原因であったため、数え切れないほど多くの子どもたち、高齢者、そして呼吸器官不全の人々を死に追いやったのです。


それから時は流れ、2017年4月21日の金曜日、英国National Grid社は石炭火力廃止デー(石炭を一切使用せずに電力を供給する日)を実施しました。


石炭を一切利用しなかったのは、この135年間で初めてのことです。National Gridは現地時間の午後3時にこの石炭火力廃止デーの成功をツイッターで発表しました。


この偉業達成はアースデイのタイミングに合わせた認知度アップのためのイベントごとのようにみえるかもしれませんが、実際はそうではありません。


National Grid社は徐々に石炭をベースとした電力供給から、他の電力資源への移行に取り組みはじめています。昨年5月に行なった19時間にも及ぶ石炭廃止実験を含め、数時間単位ではありますが、石炭に頼らない電力供給を実現させてきました。

気候変動に対する政策目標に基づき、2025年の石炭火力全廃に向けて、本格的な取り組みがはじまっているのです。2015年には石炭火力の占有比率は23%までに減少し、昨年には9%まで減少させることに成功しています。

石炭に代わるエネルギー源とは

BBCによると、英国の石炭火力廃止デーでは、電力供給源の約半分は天然ガス、25%は核燃料、残り25%は太陽光、風力、木材などを使用したバイオマスの組み合わせであった、と発表しています。


しかし残念ながら、これら電力供給源も欠点がないわけではありません。核燃料は皆さんよくご存知のように、大きなリスクを伴いますし、天然ガスもいわば化石燃料で気候変動に悪影響を及ぼすものです。木質ペレットは化石燃料ではありませんが、燃やすたびに二酸化炭素を排出します。ただ、多くの科学者は、どの燃料も石炭と比較すれば何倍もましで、この英国の大きな取り組みを高く評価しています。


「私たち英国も、世界も、徐々に脱石炭に向かっています。英国を担う未来のリーダーは、今後世界を代表する環境保全国を目指して、大きな責任を担う必要があるのです。」GreenpeaceUKのエネルギー部門トップのHannah MartinはThe Guardian誌の取材にこのように答えました。


トーマス・エジソンは1882年にロンドンで世界初の石炭火力発電所を建設しました。今後、国内最後の石炭火力発電を閉鎖することで、今度は英国自らがその一時代の幕引きを行なう役目を担うことになるのです。


かつてロンドンの上空を覆い尽くしたあの濃霧のように、この取り組みから今後目が離せません。


Minda Zetlin(訳:saori)

Photo by Shutterstock

記事提供社からのご案内(外部サイト)

ライフハッカー[日本版]

株式会社メディアジーン

毎日更新中

ガジェットなどを駆使し、スマートに楽しむ仕事術「Lifehack」。「ライフハッカー[日本版]」では、その言葉を広義に捉え、生活全般に役立つライフハック情報を日々お届けします。