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復興への願いと共に走る黄金の列車、JR九州『或る列車』乗車レポート

5/23(火) 7:30配信

@DIME

様々なユニークな列車たちが特徴のJR九州。列車ごとに「テーマ」が設定され、それぞれ軽食やお酒、風景、演出を楽しむことができ、どの列車たちも観光列車として人気を博している。そんなJR九州の列車群の中でもひときわ目を引く黄金の列車、「或る列車」に今回乗車することができたので、同乗レポートをお届けしよう!

【写真】復興への願いと共に走る黄金の列車、JR九州『或る列車』乗車レポート

「或る列車」とは、かつて存在した超豪華客車を現代に復活させた列車で、外装だけでなく内装もとてもゴージャス。鉄道をこよなく愛し、世界的な鉄道模型の神様と呼ばれた故 原信太郎氏が作成した鉄道模型を参考に、JR九州の列車や駅デザインを長年手がけてきたデザイナーの水戸岡鋭治氏がデザインを担当。

最近、豪華寝台列車のデビューが続いているが、そのパイオニアであるJR九州のフラッグシップトレイン「ななつ星in九州」の内装で生かされたノウハウが「或る列車」にも随所に生かされている。「ななつ星in九州」はなかなか乗車する機会に恵まれないが、その雰囲気に少しだけ触れることができるのが「或る列車」だ。走行する路線はシーズンによって異なり、9月までは「大分ルート」として久大本線の大分駅と日田駅間を土休日を中心とした特定日に1往復している。実はこのルートは昨年にも設定されていたが、熊本地震の影響で運休を余儀なくされた期間があった。その後、もう1つのコースである長崎方面で走行したのち、今回再び大分に帰ってきた形となる。

 さてこの「或る列車」、最大の楽しみはラグジュアリーな車内で楽しむここだけの「スイーツのフルコース」。車内では東京南青山で大人気のレストラン「NARISAWA」のオーナーシェフである成沢由浩シェフ監修である「NARISAWA“bento”」とスイーツのフルコースが楽しめる。このコースで出される食材や調味料、フリードリンクとなるワインを含むドリンク類はそのほとんどが九州産にこだわっていて、その食材の調達には成沢シェフを始めJR九州のスタッフが実際に現地に足を運び、探し、厳選したものばかり。

スイーツのフルコースというと、少しヘビーに思えるかもしれないが、その点についてはご安心を。全てが軽やかかつ上品な仕上がりで全てを食べ終えてもそこには至福な余韻が残っているはずだ。海の幸山の幸に恵まれている九州だが、「実はバニラなども九州産のものを使っているんですよ!」とJR九州の担当者さんから意外なコメントが!九州でバニラが作られていたとは知らなかった・・・

 ユニークなデザインの列車や観光列車たちの存在は今やJR九州の代名詞といっても過言ではないが、これらの列車たちは全てデザイナーである水戸岡鋭治氏とJR九州の情熱によって誕生した。現在では水戸岡氏デザインの列車が他の地域でも走っており、そういった意味ではこれらの列車の存在はJR九州だけの特徴ではなくなってきているが、「私たちのこだわりは列車自体ももちろんですが、沿線のみなさんや客室乗務員たちによる「ソフト」面にもあります」と担当者さんが笑顔で語る。

さあいよいよ「或る列車」に乗り込もう。今回乗車したのは大分発の午前便。ちなみに日田発の午後便とは駅の停車(途中での乗下車はできない)など行路に若干の違いはあるもののメニューは同じだ。大分駅の発車時間は9時46分だが、列車は20分前には入線。出発までゆったりと記念撮影などを楽しむことができる。黄金の車体がホームに到着するとドアが開くとまず赤いカーペットが用意され、特別な旅の始まりを華麗に演出してくれる。

車内に入るとすぐにその空間に圧倒される。木材と伝統の技を駆使した装飾品をふんだんに使用した明るくゴージャスな車内はもはや鉄道車両であることを忘れてしまいそう。ちなみに1号車は2人席と4人席で構成されたオープンタイプの車内、2号車はウォールナットの組子に囲まれたコンパートメントになっており、意匠が全く異なっている。ちなみに、各座席の様子も全てオフィシャルサイトにストリートビューで掲載されており、予約時の参考にすることができる。

もう少し車内を詳しく見ていこう。まず今回僕が乗車した1号車は明るく優しい印象を受けるメープル材が使用され、「ななつ星in九州」にも用いられた格天井が特徴。木のぬくもりが存分に感じられる室内になっている。天井には四葉のクローバーがあしらわれているが実はここにちょっとした遊び心が隠されているので、乗車時にはちょっと注目してみるのがオススメだ。車両奥には調理スペースがあり、ここでスイーツが仕上げられていく様子をみることもできる。

一方、コンパートメントタイプの2号車の印象は一転、落ち着いたシックな色合いを基調とした上質な空間になっている。車両のセンターに通路を設け、左右に合計8室のコンパートメントが設けられている。一部のコンパートメントは1人利用向けに用意されているので、個室で自分だけのひと時を楽しむのもいいかもしれない。各コンパートメントを区切る組子についてもやはり「ななつ星in九州」でも採用された技術が使用されている。また、2号車の車端部にはトイレと洗面台が設けられている。ちなみに、2人利用の場合であれば1号車、2号車ともに料金は共に同じ一人24000円なので好みに合わせてチョイスすることが可能だ。

乗降扉についてもステンドガラスが美しい扉となっており、デッキ部のショーケースには東京横浜にある「原鉄道模型博物館」から借用された故原信太郎氏の鉄道模型の実車が展示されている。展示車両の中にはこの「或る列車」も展示されている。

後編では「或る列車」のおもてなしの中身をご紹介します!

取材・文・撮影/村上悠太

@DIME編集部

最終更新:5/23(火) 7:30
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