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「過去は、消せないから」本当に豊かな人が、港区内で恋人を探さない理由

5/23(火) 5:20配信

東京カレンダー

港区であれば東京の頂点であるという発想は、正しいようで正しくはない。

人口約25万人が生息するこの狭い街の中にも、愕然たる格差が存在する。

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港区外の東京都民から見ると一見理解できない世界が、そこでは繰り広げられる。

これはそんな“港区内格差”を、凛子という32歳・港区歴10年の女性の視点から光を当て、その暗部をも浮き立たせる物語である。

港区内で頂点を極めた者に与えられるキングとクイーンの称号。クイーンとなり、港区女子を卒業した凛子は、芝在住のバーキンを持つ女に違和感を覚え、港区に蔓延する“ギャラ飲みする女性”を目の当たりにした。

過去は消せない、港区事情

―凛子さん、こんにちは。近々美味しいジビエでも食べに行きませんか

ここ最近、定期的に会っている市原から一昨日入ったLINE。凛子はその誘いを受け入れ、今日は松濤までやってきた。

美味しい物のためなら、港区から松濤なんて一瞬だ。ヒールを鳴らしながら、一軒家のような佇まいの『ELEZO HOUSE』の扉を開ける。

―港区から離れることで、気兼ねなく市原と会話できる。

そう思っていたのに、店内ではすでに市原と美奈子が談笑していた。

「凛子、待ってたよ。」

美奈子の姿を見て凛子は戸惑ったが、何事もなかったかのように食事が始まる所がマイペースな二人らしい。

「そう言えば、この前の食事会にいた変なモデルもどき、市原さんお知り合いだったんですか?」

ペアリングのシャンパンを飲みながら、美奈子が前回の食事会の様子を振り返り始めた。

確かに、宴の参加費で稼ぐ女性がいるなんて何ともいけすかない。

「彼女、港区データバンク上ではブラックリスト入りしてますから。」

市原がグラスのシャンパンを傾けながら、微笑んでいる。

「港区データバンク...?それって、何ですか?」

港区データバンクの実態

「凛子さんって、ご自身は港区内でここまで有名なのに、本当に何もご存知ないのですね。」

市原が目の前に出された“自社狩猟蝦夷鹿のロースト”に対して目を細めながら笑っている。美奈子も隣で「本当、その通り」なんて調子の良いことを言っている。

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最終更新:5/23(火) 5:20
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