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スペインの名将がヴェルディで実践する「J2を戦うためのサッカー」

5/24(水) 8:00配信

webスポルティーバ

 5月21日、味の素スタジアム。J2リーグ第15節、東京ヴェルディは京都サンガを迎え、1-2と逆転負けを喫している。

【写真】不機嫌そうだが、これがロティーナ監督の普段の顔

「少なくとも、引き分けられた試合だった。今ある戦力でどうやりくりしていくのか。それだけだよ」

 試合後、ミゲル・アンヘル・ロティーナ監督(59)は静かに言った。百戦錬磨のスペイン人指揮官は、ひとつの敗北を気に病むことはない。戦いを積み上げ、再び挑むだけだ。

 今シーズン、ロティーナが率いるようになって、ヴェルディは確実に変化を遂げた。昨シーズン、18位で残留争いをしたチームは、京都に敗れた後も、なお5位につける(15節終了現在)。首位に立つアビスパ福岡まで4ポイント差と肉迫している。

 はたしてロティーナはチームに何を施したのか?

 ロティーナは1970~80年代、選手としてリーガエスパニョーラ1~3部のチームを渡り歩いている。400試合以上に出場。エリア内で泥臭くゴールを狙うストライカーだったという。

 88年、31歳で指導者に転身し、故郷ログロニェスのユース監督としてスタート。以来、ログロニェスB、ログロニェスと順調にキャリアを積み重ねていった。

 ヌマンシアでは95~96シーズン、スペイン国王杯準々決勝でヨハン・クライフ率いるFCバルセロナと対戦し、本拠地で2-2と引き分ける快挙を成し遂げた。当時のヌマンシアは2部B(実質3部)で、この試合は今も伝説として残る。そして98~99シーズンにはチームを1部まで引き上げた。

「弱者を強者に勝たせる」

 それがロティーナの評判のひとつになった。99~00シーズンにも2部オサスナを率いて1部昇格に導き、2シーズンにわたって残留させた。03~04シーズンにはセルタをリーガ4位に躍進させ、04~05シーズンにはチャンピオンズリーグベスト16に進出。さらに05~06シーズンにはエスパニョールでスペイン国王杯優勝を成し遂げた。その後もレアル・ソシエダ、デポルティーボ・ラコルーニャ、ビジャレアルという有力クラブを率いている。

 そして2015~16シーズンには、カタール2部のアルシャニアを1部に引き上げた。徹底した守備戦術に定評があり、チームのベースを作る手腕は卓抜している。

「昨シーズンのチームを分析した。とにかく失点が多すぎたし、(取られる)形も悪かった。まずはそこを修正する必要を感じた」

 ヴェルディの監督に就任したロティーナは、そう指摘していた。

「いい守りがなければ、いい攻めも存在しない」

 スペインフットボールにおける大原則を適用し、ディフェンスの整備、修正に時間をかけた。立ち位置やカバーリング、組織的なラインコントロールやプレスのタイミングなど、ディテールにこだわって基礎を作った。選手同士の距離感は、昨シーズンと比べて格段に改善されている。

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