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反面教師にしたいトランプのクビの切り方

5/24(水) 12:30配信

Wedge

 今回のテーマは「反面教師にしたいトランプのクビの切り方」です。ドナルド・トランプ米大統領は就任後わずか120日で、最大の危機に直面しています。突然のジェームズ・コミー米連邦捜査局(FBI)長官解任が傷口を広げたのです。「トランプ政権の終わりの始まり」と言えるかもしれません。確かに弾劾はハードルが高いのですが、弾劾訴追権を有する議会下院が来年行われる中間選挙の結果を懸念して、一斉にトランプ批判を開始すると弾劾の現実味が帯びてくる可能性が充分あり予断を許しません。

 本稿では、まず異文化ビジネスにおける解雇の仕方に関わるエピソードを紹介します。次に、トランプ大統領のコミー長官解任が生んだマイナス要因を分析します。さらに、同大統領が今後ロシア政府とトランプ陣営の共謀疑惑に対してどのようにして対処するのかについて述べます。その上でトランプ大統領弾劾の可能性について考えます。

異文化ビジネス環境における解雇の仕方

 米国の大学院で開講している産業・組織心理学の授業で、ある米国人教授が解雇の仕方について次のような説明をしていました。

「解雇を言い渡す側は出口の傍に座ること」

 この教授によれば、解雇を言い渡された米国人従業員の中に感情を取り見出し暴力を振るう従業員がいるので、すばやく逃げる準備をしておくことがポイントの一つになります。米国社会では解雇に伴う職場暴力の対策が講じられています。

 米国進出日系企業の中に誤った解雇の仕方をして、問題を大きくしてしまった企業があります。『海外派遣者ハンドブック』(日本在外企業協会)には米国西部に進出している中堅商社のケースが掲載されています。この企業で働く日本人副所長は、勤務態度の悪い米国人女性従業員に対して解雇通知をしたのですが、記録をつけていなかったために逆に訴訟を起こされてしまったのです。

 異文化ビジネス環境で日本人管理職が現地従業員に解雇通告をする場合、細心の注意が求められます。では、これまでビジネスで従業員を解雇してきたトランプ大統領は、コミー長官を効果的に解雇できたのでしょうか。

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最終更新:5/24(水) 12:30
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