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【U20】久保建英の「頭脳プレー」も鍵に。強敵ウルグアイとどう戦うべき?

5/24(水) 12:10配信

フットボールチャンネル

 U-20日本代表は24日、U-20W杯のグループステージ第2戦でウルグアイと対戦する。同世代の南米王者でもあり、圧倒的な個の力の集合体でもある強豪チームをいかに攻略するか。日本の真の実力が試される重要な一戦が始まろうとしている。(取材・文:元川悦子【水原】)

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●市丸のスタメン抜擢は確実。原とコンビ結成へ

 イングランド、アルゼンチンと同居するホスト国・韓国、メキシコとドイツと同組のベネズエラがそれぞれ開幕2連勝を飾り、早くも16強進出を果たすなど、やや意外な展開が続いている2017年U-17W杯(韓国)。21日の初戦・南アフリカ戦に2-1で勝利した日本も目下D組首位で、24日の第2戦・ウルグアイ戦で連勝すれば、決勝トーナメント行きが決まる。

 初戦でイタリアを下した南米王者は非常に手ごわいが、内山篤監督も「やはり前評判は覆さないといけない」と強調。日本は格上と見られる相手に対し、積極果敢に勝ち点3を取りにいくつもりだ。

 グループ最大の難敵と見られるウルグアイ戦を翌日に控え、U-20日本代表は水原総合競技場で1時間半の最終調整を行った。前日はグラウンドに姿を現さなかった小川航基(磐田)、久保建英(FC東京U-18)らも全員登場したが、南アフリカ戦に先発フル出場した板倉滉(川崎F)が左ふくらはぎの軽度の肉離れで別メニュー調整を強いられ、次戦欠場が濃厚になった。そこで指揮官がボランチをどうするかが大いに注目された。

 戦術練習とセットプレーの確認で主力組に入ったのは、GK小島亨介(早稲田大)、DF(右から)藤谷壮(神戸)、冨安健洋(福岡)、中山雄太(柏)、舩木翔(C大阪)、ボランチ・市丸瑞希(G大阪)、原輝綺(新潟)、右MF堂安律(G大阪)、左MF三好康児(川崎F)、FW小川、岩崎悠人(京都)という顔ぶれだった。

「相手の守備が強固なんで、ボールを動かすテンポというのは我々の攻撃の生命線になってくる。一番時間とテンポをもたらせるのが市丸」と内山監督も話しており、まず市丸のスタメン抜擢は確実だ。

 攻撃的ボランチの彼と組ませるのなら、やはり守れる原が最適だろう。「ある意味、攻撃はマルくん(市丸)に任せていいのかなと。攻撃の時は彼に前で伸び伸びとやってもらって、自分は気を使いながら後ろでカウンターをつぶしたりすることを意識したい」と本人も役割を明確にイメージしている様子だった。

●圧倒的な個の力を誇るウルグアイ。守備優先で勝負を

 ウルグアイはフェデリコ・バルベルデ(16番)をアンカーに置く4-3-3に近い布陣を採ってくる。バルベルデの展開力は傑出したものがあり、イタリアも大いに手を焼いていた。インサイドハーフの一角にはユベントス移籍が決まっているロドリゴ・ベンタンク―ル(20番)が陣取る。彼ら中盤は個人能力が極めて高いだけに、日本のボランチコンビがどれだけそこをつぶせるかが試合の明暗を分ける重要ポイントになりそうだ。

「(ベンタンク―ルに対するマークは)死ぬ気で削るくらいの気持ちでやりたい。正直、ボランチで出る不安は大きいですけど、チームに帰ってからもボランチでやりたいから、いいアピールができるといい」と原は語気を強めたが、今こそ彼の対人守備の強さを前面に押し出すべき時である。

 もちろん原1人では止められない状況も多いため、パートナーの市丸や、堂安、三好の両サイドも臨機応変にサポートに入る必要がある。「ウルグアイはアンカーの16番から前が強力。ダラダラいったらはたかれる印象なんで、守備の入りが大事にかなと思います」と堂安もこれまで以上に守りの意識を高めて試合に入るつもりだ。

 とはいえ、相手はニコラス・スキアパカッセ(9番)とニコラス・デ・ラ・クルス(11番)の両サイドアタッカーもカットインしてミドルシュートを狙ってくるため、堂安らは中に絞りすぎてもいけない。サイドバックと連携しながらベストなバランスを見出すことが肝要になるはずだ。

 南アフリカ戦の日本は開始7分に1点を献上したが、相手のペースダウンも追い風となり、試合中に素早い修正を見せて逆転まで持ち込むことができた。しかしながら、強豪・ウルグアイ相手では同じような展開は期待できない。だからこそ、今回は試合開始時からの強固な守備構築を最優先に考えるべきだ。

 守備陣を統率する中山も「守備は全体的にまだまだ甘いところがあるんで、もっともっと周りに強く要求していきたい」とさらなる引き締めを図っていくという。キャプテン・坂井のベンチスタートが濃厚なだけに、中山にはより一層の統率力を求めたい。

●数少ないチャンスで小川と堂安にかかる期待。久保の働きも鍵に

 そのうえで、数少ない攻撃チャンスをモノにすることが大切。小川と堂安の両エースに2試合連続ゴールの期待がかかるのは当然だろう。「2戦連発というより、チームが勝てるプレーを大事に考えてやりたい」と堂安は慎重な物言いをしていたが、背番号7がここぞという場面で決定力の高さを発揮できるのは今季のガンバ大阪でも実証済み。対峙する相手が違えども、伸び盛りのアタッカーなら明確な結果を残すことが十分可能。ここでスターの座にのし上がってくれれば理想的だ。

 南アフリカ戦に続いてジョーカー起用が予想される15歳の久保も、リズムをガラリと変える鋭い動きを披露してくれるはずだ。

「U-20W杯に呼ばれて、非常にレベルの高い国々と戦いにきてるんで、レベルが高い方がより緊張感も増しますし、その相手に結果を残すことで自分たちのレベルアップにもつながる。非常に楽しみです。ゴールは毎試合狙ってます」と彼自身も内に秘めた野心を吐露していた。

 内山監督も「ウルグアイと言えども、100%攻撃が成功することはない。必ずミスは起きるんで、そこでいかに攻撃に結びつけてフィニッシュまでいけるかが1つの大きなポイントになってくる」とスキを突く頭脳的な戦いを選手たちに求めていた。それを最も得意とするのが久保である。

 この若武者が南米王者をいかにして攻略し、ゴールに直結する仕事を見せるのか。そこにも大いに注目したいものだ。

 いずれにせよ、日本はウルグアイから勝ち点1以上を確保することが先決。黒星という最悪のシナリオを避けるべく、慎重かつ大胆な試合運びをしてほしい。

(取材・文:元川悦子【水原】)

フットボールチャンネル編集部

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