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顧客満足度1位のトヨタ販売会社が実践する「社員第一主義」

5/24(水) 8:00配信

Forbes JAPAN

「まるで幼稚園児への生活指導だ」。労働時間を一律に圧縮する政府への不満をよく聞く。長時間動労による過労死を防ぎながら、生産性を高めて収益を上げることはできるのか? 小さな工夫で大きな発見を見出したネッツトヨタ南国の働き方にそのヒントがあった──。



グラフを見ていただきたい。トヨタ車の国内販売台数が96年から減少しているのに対して、高知市にあるネッツトヨタ南国の販売台数は逆に、02年から伸び続けている。注目すべきは、ネッツトヨタ南国が逆境にある点だ。

高知県は全国でもっとも早く、90年に人口減少に転じた。高齢化率が高く、県民所得は全国ワースト2位。同社の創業は高知市の自動車販売では最後発の80年。つまり、顧客の開拓が困難な状況にありながら、グラフの結果を導いている。

その答えが、「社員第一主義」にあると聞き、さっそく高知に飛んだ。

「フロアの椅子が足りなくなるんです」と苦笑しながらショールームを案内するのは、ビスタワークス研究所の代表、大原光秦である。カフェテリアのように椅子とテーブルがあちこちに配置されているが、座りきれないほど客が訪れるという。大原は89年にネッツトヨタ南国に入社すると同時に、採用業務を任された。現在も同社の採用や育成に従事しながら、その20年の経験をもとに、10年にビスタワークス研究所を分社・設立した。

「創業時、会社の規模も従業員数も少ない上、多くの方は車を買う店を決めている。そうした状況から訪問販売をせずに、来店型でいくことになりました。一人のお客様にいろんなスタッフが対応できます。ショールームのあり方や接客方法など工夫と改善を重ねていきました」

こうして同社は、全国のトヨタ販売会社でCS(顧客満足度)1位となった。焼き畑農業のように新規顧客の開拓を目指しても、営業部員の徒労に終わることが多い。だから、一人の顧客と一生つきあえる「生涯顧客化」を目標にしたのだ。

ところが、毎年CSで全国1位になるものの、業績は下がっていった。そうして社員が一斉に辞める出来事が起きた。

「96~97年頃、『この業界にいてもダメだ。頑張っても報われない』と不満を言いだした先輩に影響を受けた新人たちが退職しました。非常にショックでした。採用の際は、人気がない業界なので、学生たちのインターンシップや、手作りでイベントをやったりと工夫をしてきただけに、憤りのようなものを感じたのです」

しかし、大原は思った。「満足感」で職場を選ぶと、転職しても景気が厳しくなれば再び辞めるだろう。満足感は辞める選択肢を増やしているにすぎない、と。

せっかく縁あって入社してくれた社員を辞めさせてはいけないと考えたとき、彼は「社員は、会社の空気、風土、つまり人間関係から影響を受けるのであれば、社風を再構築する必要がある」と思った。

「当時、販売方法やCSなど、どれもやらなきゃいけない感じで仕事をしている。会社の理念には、『全社員を人生の勝利者にする』と書いてあります。これが最重要であり、実現のためにみんなで整理しなおそうとなったのです」

01年から02年にかけて業績が底を打とうとしていたとき、社内の話し合いで気づいたことがあった。

「どこの販売店も、値引きや店が近いといった利便性で取引を増やしますが、顧客そのものが減っているなかで、安くて早くて便利を続けたら、社員は疲弊して破綻します。大事なのは、年に10回以上も繰り返して来てくださるお客様を増やすこと。そうしたお客様はどんな思いや理想を抱いて来てくださるのか。その背景を調べることになったのです」

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最終更新:5/24(水) 8:00
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