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今に生きる京都の伝統。美しさと丈夫さを備えた「真田紐(さなだひも)」とは?

5/25(木) 17:20配信

OurAge

「京都でまた美しいものに出会いました」と、京都在住の旅ライター&京のおもてなしリーダーの小原誉子さん。それは「真田紐」だという。

「真田紐」をご存知だろうか?甲冑を彩り、茶道具や美術品を納める箱を縛るなど、さまざまの場面に登場する色彩豊かな紐のこと。日本人の高い美意識を物語る品だ。その美しい「真田紐」に出会ったのは、戦国時代に創業した「真田紐師 江南(えなみ)」。15代店主の和田伊三男さんの話は、歴史など幅広く、思わず時を忘れてしまった、と小原さん。

工房でもある店舗の棚には、色とりどりの「真田紐」が並び、小原さんはその美しい色と種類の豊富さに驚いた。
「そもそも『真田紐』は、縦糸と横糸を織った織物で、丸台で複数の糸を編む『組紐』とは、全く別の作り方なんです」と、店主の和田さんは語る。

「真田紐」は、その丈夫さから戦国時代の武将の甲冑に使われ、また下級武士や農民などは、頭や手、足に巻きつけ戦いの場での武具替りにしたのだとか。武具だけではなく、西陣では織物の荷物を縛り、運搬にも活用された。時代を経て、茶道具や軸の桐箱にも使われるようになったという。

店の中を見渡すと、「真田紐」を織る機(はた)が…。
「奥様が昔ながらの技法で製作をなさっています。手織りの品は、桜などによる草木染された糸が主に使われ、その色合いのやさしさに心惹かれます」(小原さん)

紐の柄や色は、機に掛けられた縦糸で決まるそう。幅の狭い「真田紐」の横糸は、竹や紙に巻かれた糸を動かす。幅6cmほどの平織で織り上げられた紐は、昔は甲冑の下に、また和服の腰紐などに使われたそう。手織りの紐は、美しく、モダンささえ感じさせる。

「一方、幅1cm前後の紐は、機械織りで作られます。こちらも日本の伝統色を表現した豊かな色合いで、今も、桐箱などに使われるケースが多いのですが、女性は帯締めにしたり、最近は、眼鏡を吊るす紐やカメラやスマホのストラップなどにする人も多いそう。またネコの首輪や噛まない小さな動物のお散歩紐にも購入する人もいるそうですよ」(小原さん)

実は、「真田紐」の色と模様は、使用する人や物の所属を示す役割もあるという。和田さんが見せてくれたこの店の歴史を物語る見本帳には、茶道の各流派が茶道具に使用する真田紐がずらりと並んでいる。箱に結ばれた紐を見れば、どこの流派の好みの品かがわかるのだそう。茶道だけでなく、昔は大名家や名家では、独自の「真田紐」が作られたそうだ。

さて、こちらの真田紐は、店やインターネットで、好みの品を、1メートル単位で購入することができる。例えば木綿製のものは1メートル200円~。絹のものは800円~と思ったより手軽な価格。思わず目移りがして、どれも欲しくなってしまう。

「丈夫さを備え、しかも美しい日本伝統の『真田紐』。昔の人って生活の中でも、なんて高い美意識をもっていたのでしょう。それを改めて感じることができました。手にした『真田紐』を前に、何に使おうか…と想像する楽しい時間を過ごしています」(小原さん)

最終更新:5/25(木) 17:20
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