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小売業はサステナブルブランドをどう構築するか

5/25(木) 21:25配信

オルタナ

ブランディングはどのビジネスでも重要なものだ。BtoB企業も小売企業も、ライバル企業と明確に区別できる自社のアイデンティティをどう築けるか日々努力している。(編集・翻訳=小松 遥香:オルタナ/Sustainable Brands Japan)

eコマースや携帯アプリなどの出現により、小売業を取り巻く環境は変化し、消費者とブランドの距離感も変わった。この変化により、消費者とのコミュニケーションやマーケティングに無限の可能性が生まれている。

サステナビリティは今やブランド構築に欠かせない。消費者は、企業がビジネスの基盤として社会や環境に配慮することをこれまで以上に求めるようになってきている。単に企業価値を高めるよりも一歩進んだ姿勢が求められている。

「サステナビリティやCSRをビジネスに取り込んでいない企業はリスクがある」という考えは、特に新しいものではない。しかし消費者の心をつかむような価値を創造するには、クリエイティブな考え方が必要だ。

サステナビリティをブランディングに取り入れるとは

小売業が販売しているプラスチック製のギフトカードを例にとると分かりやすいだろう。買い物をするとポイントがカードに貯まったり、祝日や誕生日にプレゼントとして貰ったりすることがあると思う。こうしたカードは、携帯電話の番号やクレジットカード情報とつながってもいる。

米国の消費者の93%は毎年ギフトカードを購入して、地元企業の3%がオンラインでギフトカードを販売している。この数字を見ると、いたるところでギフトカードが販売されている理由に納得する。

みなさんは、使い終わったギフトカードをどうしているだろうか。課金することができ、1枚のカードを長く使えるようにしている小売店もあるだろう。しかし多くの場合、ギフトカードなどは使い終わると捨てられる。多くの店のレジには、ギフトカードを捨てる入れ物も備え付けられている。

ギフトカードに使われているプラスチックは、リサイクルされることもなく捨てられているのが現実だ。こうしたカードは通常、ポリ塩化ビニルでできていて、リサイクルできる自治体があまりない。さらに、サイズが小さければ小さいほどリサイクルするのが難しくなる。

消費者にリピーターになって貰うには、企業と消費者をつなぎ合わせ、記憶に残る結びつきを生み出すストーリーをつくり出すことが大切になる。

例えば、私の会社「テラサイクル」は、カナダで商業施設の不動産業を営む会社と協働し、ギフトカードのリサイクルを行ったことがある。モールやショッピングセンターなど22軒の商業施設で実施し、目を引くデザインを施したリサイクルボックスを設置した。リサイクルボックスは、サービスデスクの隣やギフトカードが売られている場所に設置した。

この例は、サステナビリティへの取り組みが消費者と小売業者の距離を近づけるための重要な要素になっていることを説明した好事例だ。それまで企業になかった新たな仕組みをつくりだすことで、小売業者や卸業者も新たに気づくことがある。

この効果を受けて、5月末に米国・デトロイトで開催されたサステナブルブランド国際会議2017に、米国の小売業経営者協会が登壇。「小売業革命」と題して行われたセッションでは、目に見える成果をあげながらも、企業の存在意義やサステナビリティから生み出されるイノベーションを起こすことで、どう事業の成功の可能性を上げるかに焦点が当たれた。

環境に配慮した取り組みを行うと表明することは、消費者と効果的にコミュニケーションをとる上で必要なブランド戦略だ。企業の大きさに関わらず、そういう取り組みを行うことで、企業が十分成長するための方法はいくらでもある。

「サステナブル・ブランド ジャパン」より転載

最終更新:5/25(木) 21:25
オルタナ

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