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首相は正攻法で学園問題の説明をせよ --- 中村 仁

5/25(木) 16:47配信

アゴラ

何もかもが真っ黒なのか

安倍政権がもがいている加計学園と森友学園という2つの問題は、最終的に、何が事実なのかにたどりつけないまま幕が引かれるような気がします。特に安倍政権、関係官僚がどう動いたか、どのような影響力を行使したかという政治的な側面について、首相が正攻法で説明をしたら、解消する疑問もあるはずです。

政権側が正攻法ではっきり説明をすれば、「そういうことなのか」と、周囲が納得するところもあるはずです。それを避けるから、「指示があったかなかったか」、「便宜を図ったか否か」、「怪文書が存在したのか否か」が焦点になってしまい、森友学園、加計学園に関係することは、何もかも「やはり怪しい」という展開になっているような気がします。

加計学園の獣医学部の認可問題の核心は、獣医の数が充足しているのか、不足しているのかでしょう。不足しているなら、獣医学部を新設しても問題はないはずです。「充足しているから、50年も獣医学部の新設を認可してこなかった。それなのに、友人の加計学園を特別扱いして認可した」が安倍批判の一つの根拠です。

獣医が不足か否かの説明が不足

獣医師会は競争相手が増えると困るので、学部新設に反対してきたと思われます。50年間も新設なしは、既得権擁護のせいかもしれません。そうだとするならば、官邸側は「実際は不足している。ペット相手の病院に獣医が流れ、ライフサイエンスなど将来性の高い分野に取り組む獣医は不足している」と、なぜ明言しないのでしょうか。首相や官房長官が正攻法の説明をしたら、「そういうことなのか」と、解釈する人もでてくるでしょう。

さらに、親しい友人の学園理事長から「支援を頼む」くらいのことを、首相が言われていないはずはありません。2人の関係を考えると、言われないほうが不自然です。首相側は「依頼はあった。ただし、認可は厳正にした。依頼があったとしても、ただちに不正行為とはならない」と、言えばいいのです。

政治家は支援者から協力の依頼、要請を受けるのが仕事の1つです。要請を受けても、担当部署につなげても、公正な判断のもとで決定すれば、問題はないはずです。首相は無傷でいようとするあまり、「働きかけていない。働きかけていたら責任をとる」と、述べました。こんなことをいうのは逆効果で、「やはり怪しい」となるのでしょう。

また、獣医学部開設をめぐり、政権側にあっせん利得、賄賂など金銭の授受の疑いはまずないでしょう。「友人を特別扱いしたとすると、公平、公正な扱いを原則にしなければならない政治道義には反する。ただし、それは犯罪にはならない。事件にはならない」と、誰も言わないのがまた不思議です。

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最終更新:5/25(木) 16:47
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