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【ミラノデザインウィーク】ルイ・ヴィトンが考える “旅するオブジェ”。

5/25(木) 19:00配信

Casa BRUTUS.com

旅をテーマに、新しいクリエーションの世界を目指す〈ルイ・ヴィトン〉の『オブジェ・ノマド』。その最新コレクションがミラノデザインウィークで発表された。

1874年にフランスの探検家、ピエール・サヴォルニャン・ド・ブラザのために手がけたトランクに代表されるように、これまで数々の“旅する道具”を手がけてきた〈ルイ・ヴィトン〉。その歴史を振り返りつつ、伝統の技をさらにインテリアに通じる新たなクリエーションの可能性につなげいく試みが『オブジェ・ノマド コレクション』だ。

2012年にスタートした『オブジェ・ノマド』は、年々コレクションを拡大。今年はカンパーナ兄弟、マルセル・ワンダース、パトリシア・ウルキオラ、アトリエ・オイ、ロー・エッジズに加え、インディア・マダヴィと吉岡徳仁が初参加し、計10の新作を発表した。

「私は、イラン人とエジプト人の間に生まれ、これまでにインド、アメリカ、ドイツ、フランスと移り住んできました。生まれ持っての流浪の民である私にとって、居場所とは、常に異なる文化や生活環境の掛け合わせでした。自身の視点から捉えると、オブジェ・ノマドとは多文化主義を象徴する言葉のように思えます」

そう語るインディア・マダヴィは、中東でお茶を飲むときに使う移動式の簡易テーブルをイメージしながら、フランスの高い職人技による革象嵌で天板を飾った《タリスマン・テーブル》をデザイン。

カンパーナ兄弟は、ソファのクッションがバラバラに分解でき、その一つひとつをクッションとして別に使えるようにした〈ボンボカ・ソファ〉を開発。

「ボッティチェッリの絵画『ヴィーナスの誕生』に登場するような貝殻をイメージしたフレームから、次々にクッションが生まれてくる。自由で軽快、心地よいという気持ちをオーガニックな形で表現しています」

「忙しく動き続ける現代人にとって、居場所とは単に家だけのことを示すものではなくなっているように思います。どこにいても心地よく感じることができるインテリアとは。そんなことを考えながらこのプロジェクトでは、一つのオブジェがいかにムードや周辺環境に影響を及ぼすかという点を追求しました」

初回から参加しているアトリエ・オイは、革紐のねじれが幻想的な光の輪を作り出す照明《スパイラル・ランプ》、吊型のソファ《スウィング・ボート》。そして、ベルトのように、背面にバックルがついた椅子《ベルトチェア》の3つを発表した。

きわめて繊細に、そして丁寧にデザインの文脈を読み解き、革加工を中心とした高い職人技で仕上げていった〈ルイ・ヴィトン〉の機知に富んだ豊かなクリエーションに、誰しもが心を奪われる内容となった。

〈ルイ・ヴィトン オブジェ・ノマド コレクション〉

問合せ/ルイ・ヴィトン クライアントサービス TEL 0120 00 1854。

photo_Sohei Oya (Nacasa & Partners) text_Hisashi Ikai

最終更新:5/25(木) 19:00
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