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【日本ハム】「4割打者・近藤健介」について考えているうちに台湾に飛んでいた

5/26(金) 11:00配信

文春オンライン

近藤健介と「4割打者」をどう結びつけるか

 スポーツメディアが「4割打者・近藤健介」をあい次いで取り上げ始めた。5月も終わりになるのにコンスケの打率が落ちないのだ。5月23日現在、4割2分を依然キープしている。もちろんパの打率部門1位だ。いや、2位ソフトバンク・内川聖一(.350)、3位西武・浅村栄斗(.339)だってめちゃくちゃ打ってるというのにその上を行っている。ファイターズは開幕以来、チームが低迷してるから、スポーツ紙の「打撃30傑」のいちばん上にコンスケが載っているのが心の支えだ。

 が、「4割達成可能か?」を論じられるのも大変だろうなぁと思う。5月21日のオリックス戦ではついに4打席連続四球(しかもノースイング!)という事態に至った。ちなみに打率4割維持の球団記録は1973年の張本勲、46試合だそうだ。これは更新がかなり現実味を帯びてきた(本稿執筆現在、42試合維持)。

 NPB記録は1989年のクロマティ(巨人)の96試合である。クロマティは遠くかすんで見えないなぁ。その89年クロマティですら3割7分8厘でシーズンを終えているのだ。「4割打者」のハードルがいかに高いか。NPBシーズン最高打率は、もちろん1986年バース(阪神)の3割8分9厘だ。コンスケはイチローすら到達し得なかった高みを目指す「挑戦者」として持ち上げられている。

 ファンとして正直な気持ちを申せば、無茶言うなよ、である。大変誇らしく光栄なことではあるけれど、そうやって重圧かけられてもロクなことにならない。そっとしといてやってほしい。そっとしといてくれたら案外、誰にも気づかれず4割残すかも。まぁ、それは無理な相談かなぁ。ヒザが悪くて苦しんだ去年を見ている立場からすると、万全の体調で野球やってくれてるだけで嬉しいのだ。第一、本人の口から「シーズン4割を目指します」なんて一度も聞いてない。

 僕は「4割打者」と「近藤健介」を自分のなかでどう落とし込んだらいいか考え込んだ。本音はあくまで「無茶言うなよ」だが、それはそれでコンスケの可能性にフタをすることになる気もする。そんなこと言ったらファイターズ自体が「無茶言うなよ」の連続だ。「北海道移転」だって「これからはパ・リーグです!」だって、もちろん「二刀流」だって無茶そのものだ。

 問題は「4割打者」像がうまく結べないのだった。見たことないしなぁ。イメージ上の「4割打者」はタイ・カッブだ。タイ・カッブは嫌われ者だったらしい。記録への執念が常軌を逸していた。勝つためには手段を選ばない。ダグアウトでわざと見えるようにスパイクの歯を研いで、殺人スライディングを印象づけたのは有名な逸話だ。眼が悪くなるとして、現役の間、一本も映画を見なかった。近藤健介はそんな極端な人間じゃないもんなぁと思うのだ。愛称も「コンスケ」とか「コンちゃん」だ。親しみやすい。ちょっと対極ではないか。

 と、そこまで考えてタイガーエアに乗って台湾へ飛んだ。それなら実際の「4割打者」をこの目で見て来ればいい。Lamigoモンキーズの背番号9、王柏融がいるじゃないか。

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最終更新:5/26(金) 12:18
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