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JR九州『或る列車』の人気を支える職員、生産者、住民の三位一体のおもてなし

5/26(金) 6:30配信

@DIME

様々なユニークな列車たちが特徴のJR九州。列車ごとに「テーマ」が設定され、それぞれ軽食やお酒、風景、演出を楽しむことができ、どの列車たちも観光列車として人気を博している。そんなJR九州の列車群の中でもひときわ目を引く黄金の列車、「或る列車」に今回乗車することができたので、同乗レポートをお届けしよう!

【写真】JR九州『或る列車』の人気を支える職員、生産者、住民の三位一体のおもてなし

今回は「或る列車」のスイーツコース、そしておもてなしについて説明していこう。車内空間については前編をご覧あれ!

さて、大分駅始発の午前便に乗車した僕らを乗せた「或る列車」は9時46分に出発。大分駅を多くの駅員さんに見送られて出発するとすぐにウェルカムドリンクとして宮崎県産日向夏ジュースか同じく宮崎県産の都農ワインのスパークリングワインがサーブされる。

その後、まず軽めの食事として「NARISAWA“bento”」とスープが登場。コースメニューは全て月替わりでその都度九州の旬が楽しめるようになっている。取材時のメニューは5月版としてあさりとフキの炊き込みご飯や関アジの炙りと春野菜のサラダなど。各テーブルには記念に持ち帰ることのできるメニューが備え付けられているが、メニューに産地の県名が書かれているのはもちろん、ページを開くとなんと各食材の生産者の方々の顔写真やインタビューが書かれているのだ。実はオフィシャルサイトのほうにもより詳しい生産者の方々の情報が書かれ、さらに「或る列車」のためだけに作られた器の数々の生産者の紹介も丁寧にされている。

 確かに食材によりこだわっているレストランに行くと生産者の情報が提示されていることもあるが、「或る列車」の場合はむしろ前面に食材や器の生い立ちの情報が出されている。JR九州の担当者さんより「私たちの列車を支えてくださるとても大切な方々だからこそご紹介しなくては」と教えてもらったが、まさにその通りだ。ふだん何気なく使い、何気なく食べているものたちの存在を今一度見つめなおす、そんな時間も「或る列車」には存在する。

 そして、列車旅の楽しみといえば車窓だが、大分ルートの最大のハイライトといえば由布院付近で姿を現す「由布岳」!実はこの由布岳、ちょうど最接近するあたりで線路が大きく曲がっているため、進行方向右側でも左側でも眺めることができるのもうれしい。

「NARISAWA“bento”」を食べ終わるとお待ちかね、スイーツコースのスタートだ。まず、一品目はカクテルグラスに入った「カクテルスイーツ」、大分県産のよもぎの蓮根もちと菖蒲の香りの葛ソースの「端午の節句」。5月という季節を感じられる味わいでこれから始まるスイーツコースのプロローグにぴったり。「或る列車」ではスイーツの盛り付け、仕上げなどを全て車内で行っており、どれもフレッシュな味が楽しめる。

続いて2品目はみずみずしい「スープスイーツ」の「茶摘み」。ひんやりとした抹茶ソースと白玉、上に飾られたチュイルと呼ばれる薄くパリッとした焼き菓子の歯ごたえが楽しい。

そして3品目がスイーツコースのメインである福岡県ハチミツと熊本県レモンを使用したこれからのシーズンにぴったりの「そよ風」。黄色と白を基調にした見た目にも軽やかなメインで甘酸くさわやかの一皿。

最後の締めくくりに出されるのは一口サイズのお茶菓子「ミニャルディーズ」の「木漏れ日」。一つ一つが繊細な仕上がりで、大分県のバラ(もちろん食べられる!)をあしらった旅の締めくくりにやさしい一品だ。

 実は「或る列車」を始め、JR九州の観光列車に乗っているとあることに気づく。それは、沿線の住民の方や駅員さん、ほかの乗客たちが列車に乗っている自分たちに手を振ってくれているのだ。もちろん他社の観光列車でもそのような光景を見ることができるが、JR九州の場合は列車に手を振る人の数の多さやその行為がすでに地域に日常として定着しているのが素敵!列車自体ももちろんこだわりの結晶だが、こうした地元と鉄道会社のどこか優しく自然なつながりがJR九州の列車旅の大きな楽しみの一つだ。

この手を振るという行為は単純だが、想像以上に感動するもの。まさに一期一会の出会いだ。ちなみに「或る列車」のオフィシャルサイトには「おもてなしプロジェクト」というページがあり、そちらには水戸岡氏デザインの特製の歓迎フラッグがダウンロードできるようになっている。また、「或る列車」は普段の時刻表などには掲載されない臨時列車だが、こちらのサイトには沿線の方がお出迎えに行けるよう、途中駅を含めた「或る列車」の運行時間がきちんと公開されている。

 ちなみに大分発日田行きの「或る列車」では、途中豊後森駅で15分ほど列車に降りることができるのだが、ここでもうれしい歓迎が待っていた!それがこの子ども一日駅長!この日は元気いっぱいの素敵な駅長さんがなんと4名も我々をお出迎え!

乗車時間にして約2時間20分の旅だが、ゆったりと食事を楽しんでいるとあっという間に終点の日田駅に到着。最高の気分で列車を降りると山間を走ってやや汚れのついた車体をすぐに磨いている社員さんの姿が。

この後の午後便に備えてのことだと思うが、こういった車両を大切にしているシーンを見かけると思わず胸が熱くなる。乗車中、食事や飲み物のサーブは全て客室乗務員さんが行ってくれるが、揺れる車内でかつ、多忙にも関わらず、ふと目線があうと必ず笑顔で、「お食事はいかがですか」、「お写真撮りましょうか」と一言声をかけてくれる。沿線のお出迎えや手を振ってくれるみなさん、器や食材の生産者の方々や運行に携わる全ての職員さんの熱い思いと温もりが伝わってくる列車だった。

「或る列車」大分コースは2017年9月24日までの週末を中心とした特定日に運行される。料金は基本プラン(「或る列車」午前便もしくは午後便+スイーツコース(ドリンク代込))で2名利用で1人24000円。1号車と2号車共に同金額。1名で乗車の場合は追加料金が必要。発売はオフィシャルサイトもしくは或る列車ツアーデスク(092-289-1537)まで。乗車希望日の10日前までに要予約(一部例外あり)。すでに満席の日もあるがこの夏、ぜひ一度、JR九州が誇るおもてなしの旅に出かけてみてはいかがでしょう。

※掲載されている料理、ドリンクは取材時のものです。メニューは月ごとに変更されます。

取材・文・撮影/村上悠太

@DIME編集部

最終更新:5/26(金) 6:30
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