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あらゆる分子のコントロールへ向け、大きな一歩

5/26(金) 12:20配信

WIRED.jp

人間は化学反応を利用してさまざまなものをつくれるようになったが、分子そのものについてはまったく分かっていない。分子一つひとつの動きを制御するのはまだ難しいが、分子の制御に向けて一歩ずつ化学者たちは歩みを進めている。

【分子制御への大きな一歩】

元素周期表や難解な専門用語、球状の発泡スチロールと鉛筆でつくられた模型──。それらに慣れ親しんでいるにもかかわらず、実際のところ化学者たちは分子について何もわかっていないに等しい。

問題のひとつは、化学者たちが分子の動きをまったくコントロールできないことだ。分子は回転し、振動し、電子を交換する。これらすべてが、ほかの分子との反応に影響を与えている。もちろん科学者たちは、コンクリートの製造やガソリンの精製、ビールの醸造などに必要な大規模な化学反応の仕組みは、十分に理解している。しかし、個々の分子を“道具”のようにしたり、あるいはレゴブロックのように組み合わせたりするほど巧みに扱いたいなら、もっと優れたコントロールが必要となる。現状ではまだ、その段階からはるかに遠い。

そんななか、アメリカ国立標準技術研究(NIST)の科学者たちが最近、単一の分子の動きを制御するための初期の課題を解決した。

科学者の世界では、低温真空状態とレーザーを活用した原子の制御方法が知られており、NISTで行われた分子制御(限定的ではあるが)は、その知見に基づいていた。今のところは実験中の段階だが、2017年5月10日(米国時間)に『Nature』で発表された論文は、その実験についての詳細を説明している。

非常に基本的なレヴェルでいえば、科学者が分子を制御できることで、分子に対する理解をさらに深められるだろう。「これは長年の課題でした」と、NISTのイオンストレージグループに所属する物理学者、ディートリヒ・ライブフリードは語っている。「わたしたちの周りのものはすべて分子からつくられていますが、分子について正確に知ることは困難だからです」

実用的な応用もできるかもしれない。NISTは、天体物理学者が遠く離れた星や太陽系外惑星のスペクトルシグネチャーを読む際に、参照すべき分子特性表を保有している。この分子特性表の空欄を埋めていけば、生命が存在し得る太陽系外惑星があるか否かという予測に役立つのだ。分子を十分に制御できるようになれば、科学者は分子をよく観察するだけでなく、物質を巧みに扱えるようになるだろう。

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最終更新:5/26(金) 12:20
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