ここから本文です

15歳久保が2世代上のU-20W杯で輝く理由 バルサ下部組織で培ったプレーとは

5/26(金) 10:40配信

Football ZONE web

FC東京コーチが証言 「フィジカル勝負の必要がない」位置でボールを受ける感覚

 U-20日本代表FW久保建英(FC東京U-18)は、薄れていたボールの引き出し方を取り戻し、決戦の地に立っている。

【一覧】海外日本人プレーヤー43人「最新推定市場価格ランキング」

 昨年11月、FC東京U-23の一員として史上最年少となる15歳と5カ月1日でJ3にデビュー。その後は主戦場をJ3に移した。今や周囲のプロ選手たちが、「攻撃の軸」として久保の名前を挙げるまでに至っている。その過程で、ある転機があった。

 ボールを受けてからのプレー精度、技術の高さは折り紙つきだ。だが、それだけではない。試合中、常に首を振り、ピッチの隅々に目を配る。プレーの最適解を探し当てるのが、抜群に上手い選手でもある。

 そんな久保が日本に帰国後、知らず知らずのうちに薄れてしまっていたプレーがあった。それに気づいたFC東京の安間貴義ヘッドコーチは、「ほとんど俺からアドバイスなんてしたことはない。でも、トップの練習に参加している時に一つだけ言ったことがある」と言うと、「ちょっと待って。俺、説明するのが苦手だから書いた方がいいね」と、ノートにペンを走らせた。そこには、対戦相手のDFラインと中盤がそれぞれ4人ずつ並ぶ布陣が描かれていた。

 そして、相手の中盤とほぼ横並びで、サイドハーフとボランチの間にマルを打つと、「これが建英ね」と言い、「本来は、この中盤の前辺りからバックステップを2、3歩踏んでそのままスルスルと抜け出し、最終ラインとの間に抜けてボールを受ける動き方をしていた」と続けた。

南ア戦の決勝アシストを導いた質の高い動き

 だが、欲しいタイミングでボールが出てこないと、久保は自然と相手の中盤の前でボールを受けようと下がってきてしまっていたという。安間コーチは「そうなると、そこで前を向いても目の前には相手の守備陣が8人いる状態。これではなかなか崩せない」と、口にした。

 そのことを伝え聞いた久保は、少しのディスカッションで簡単に本来の動き方を取り戻していったという。その後は、J3の選手たちがルックアップする瞬間を見計らい、相手選手が届かない「フィジカル勝負をする必要がない」位置にポジションを移すようになっていった。それが、初めは体格の違いに戸惑っていたJ3の舞台で「攻撃の軸」になるまでに至ったきっかけだった。

 そのプレーは、U-20ワールドカップ(W杯)でも随所に見られている。初戦の南アフリカ戦では交代直後に、相手最終ラインから中盤に落ちて相手DFを引き出すと、そこで生まれたギャップにスルーパスを流した。さらに後半27分には、MF遠藤渓太(横浜F・マリノス)がルックアップした瞬間に相手最終ラインと中盤の間に素早く位置を移す。そのタイミングではパスが出てこなかったが、再び動き直してMF堂安律(ガンバ大阪)の決勝点をアシストした。どちらも、相手のプレッシャーをほとんど受けないなかでのプレーだった。

 続くウルグアイ戦はFW小川航基(ジュビロ磐田)の負傷退場により、急きょ前半20分から出番が回ってきた。だが、途中出場からタイトなマークに苦しみ、「前半は全然いい入りができなくて、疑問とか不安もあった。相手の速さに苦しんだ。一歩が速かった」と悔やんだ。だが、「ハーフタイムにこれじゃあ終われないと思っていた」。

 後半のピッチに飛び出した久保は、“あの動き”で見せ場を作る。同13分、ここでも相手DFラインと中盤のギャップでパスを受けると、迫り来るDF二人を個人技でかわして左足を鋭く振った。このシュートは相手GKが弾き、そのこぼれ球を堂安が頭で詰めた。だが、これも相手DFが水際でクリアして歓喜の同点ゴールを挙げることができず、久保は天を仰いだ。

1/2ページ

最終更新:5/26(金) 10:40
Football ZONE web

記事提供社からのご案内(外部サイト)

Football ZONE web

fangate株式会社

日本代表や欧州各国リーグなど、国内外のサッカー情報を毎日更新