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【U20】久保・坂井らの経験が活路に。エース離脱で窮地の日本、団結力問われるイタリア戦

5/26(金) 11:33配信

フットボールチャンネル

 U-20W杯を戦っているU-20日本代表は、絶対的エース小川航基を失った。ノルマとして掲げていた決勝トーナメント進出も危うくなる事態。27日のグループステージ最終戦、イタリアとの一戦はこれまで以上にチームとしての総合力が問われる重要な試合になる。(取材・文:元川悦子【天安】)

GL最終節のイタリア戦は27日 【U-20W杯】グループステージ組み合わせ

●エース小川が負傷。無念の帰国へ

 優勝候補と目される南米王者・ウルグアイに0-2で敗れ、2017年U-20W杯(韓国)D組3位に後退した日本。加えて、24日のこの一戦で負傷交代したエースFW小川航基(磐田)が左ひざ前十字じん帯断裂tと左ひざ半月板損傷という予想以上の重傷を負っていたことが判明。27日のグループステージ最終戦・イタリア戦(天安)翌日に帰国することが決まった。

 小川という絶対的エースを欠いた状態で、決勝トーナメント進出のかかる最終決戦を戦うのは、日本にとって非常にハードルの高いテーマ。いかにして危機的状況を乗り越えるのか。今こそ内山篤監督の指導力と選手たちの結束力が問われるところだ。

 チームにバッドニュースが流れた25日、U-20日本代表は次戦の地・天安の移動して、17時前から1時間程度のトレーニングを行った。前日のスタメン組と前半20分から出場した久保建英(FC東京U-18)は室内調整のためグランドに姿を現さず、坂井大将(大分)、波多野豪(FC東京)、山口瑠伊(ロリアン)、杉岡大暉(湘南)、初瀬亮、高木彰人(ともにG大阪)、遠藤渓太(横浜FM)、田川亨介(鳥栖)と、左ふくらはぎ肉離れで別メニュー調整の続いている板倉滉(川崎F)の9人での練習となった。

 彼らはランニングの後、4対2のボール回し、ハーフコートでの4対4などを実施。板倉は軽い走りやボールコントロール練習も始めていて、2日前より改善傾向にあるようだ。しかしイタリア戦に最大負荷をかけるのは難しそう。次の大一番は小川、板倉という高さのある2人を欠いた状態で何とか耐え忍ぶ必要がありそうだ。

●「全員が同じ戦い方を共有しないといけない」(内山監督)

 次戦はこれまで2戦で繰り返してきた早い時間帯の失点を絶対に阻止しなければならない。「イタリアは引き分けを視野に入れて手堅いゲーム運びを見せてくる」と内山監督も考えているだけに、仮に先にゴールを献上したら守り切られる可能性が高まるからだ。

「普通に考えれば、イタリアは引き分けで2位上がり。もともとそういう文化がある国だから引き分けOKのサッカーをしてきますよね。日本は相手の戦い方を見ながら的確な判断していかないといけない。日本の選手は感情移入してプレーしてしまいがちだけど、そこで強引にリスクを負ってカウンターを食らうのは絶対にダメ。11人中5人がそう考えていても、6人が違うことを考えたらうまく行かなくなる。全員が同じ戦い方を共有しないといけない」と指揮官は勝ち点1以上を確保すべく、選手たちにしたたかさや駆け引きのうまさを強く求めていくという。

 他グループの結果次第ではあるが、日本が勝ち点4を確保すれば、3位通過の可能性はかなり大きくなる。もともと今大会の日本は「1次リーグを突破してその先も戦う」という目標を持って参戦している。つまり「イタリアに勝つこと」より「引き分けでもいいから決勝トーナメントに進むこと」を最優先に考えるべきなのだ。

 それを果たすためには、内山監督の言うように「冷静さ」と「チーム全体の共有」「的確な判断力」が必要不可欠。こうした要素を忘れずに戦えるか否かで、彼らの命運は大きく変わるに違いない。

「いろんな判断材料がある中で、ピッチ内で自分たちの状況をしっかり把握することが大事だと思うし、最低でも勝ち点1を取れば先に望みがつながる。それなのにみんなが焦ってウルグアイ戦の2失点目のように『イケる』と思ってバランスを崩して前がかりになると失点を食らってしまう。それを全員で意識してやらないといけない」とキャプテン・坂井も口を酸っぱくして語っていた。

●イタリア相手に試されるしたたかさと老獪さ

 小川という攻撃の大黒柱が離脱した今、彼が中心となってチームをまとめていかなければ、16強という最低ノルマもクリアできなくなってしまいかねない。今こそ坂井には、2014年ブラジルW杯にトレーニングパートナーとして帯同した経験値を最大限生かしてもらうしかない。

「ブラジルの時は1分1敗で後がない状況で3戦目に挑みました。それでもみんな前向きで、しっかりと声を掛け合っていた。こういう世界大会は中2日、中3日ですぐに試合が来ちゃうんで、練習やそれ以外の場所でどれだけ選手同士が喋るか、コミュニケーションを取るかが大事になってくる。今回はブラジルの時と違って初戦勝ってるし、残り1試合で勝ち点を取ってしっかりトーナメントに行くだけなんで」とキャプテンは大舞台の貴重な体験を糧にするつもりだ。

 攻撃陣にはバルセロナの下部組織でジュニア時代を過ごし、卓越した国際経験や駆け引きのうまさを誇る久保建英がおり、最終ラインには冷静沈着さを武器とする中山雄太(柏)と冨安健洋(福岡)が陣取っている。そこに坂井も加わってチーム全体が明確な戦い方を実践できれば、苦境を打開する道は自ずと開けてくるはずだ。

 日本人が一番苦手としている「したたかさ」「老獪さ」をいかにして結果につなげるのか。イタリア戦は彼らの賢さとクレバーさが問われる一戦だ。2020年東京五輪、そして2022年カタールW杯以降につながるようなメリハリの利いた好ゲームをぜひとも見せてほしいものである。

(取材・文:元川悦子【天安】)

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