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【U-20W杯で考える】勤勉でタフ、セットプレーに創意工夫もあるが…米国にはふざけた奴がいない

5/26(金) 17:30配信

SOCCER DIGEST Web

休みなく稼働する工場のようにプレスをかけ続ける。

 仁川のスタジアムでセネガルの記者と知り合った。日刊紙『スタッド』の女性記者ファトゥさん。聞けば、セネガルの記者は彼女ひとりだという。
「だって韓国は遠いし、フル代表の大会じゃないからね」
 
 日本では注目されているU-20ワールドカップだが、ほとんどの国がこんなものだ。日本と同じグループのイタリア、ウルグアイ、南アフリカも記者は、ひとりかふたりといったところ。
 この大会は若者が経験を積むところ。まだ結果を出すところではない。
 
 記者席に加えて観客席も空席だらけ。それでも今大会では、引き締まった好ゲームが多い。アメリカがセネガルを1-0で退けた仁川の2試合目も、なかなか面白かった。
 
 エクアドルとの初戦を3-3で引き分けたアメリカは、このセネガル戦で非常にアメリカらしいプレーをした。
 
 アメリカらしさとは、軍隊のように統率された11人が攻守に走り続けるところにある。
 休みなく稼働する工場のように敵にプレッシャーをかけ続け、ボールを奪うと強い踏み込みで縦へ縦へと攻め入る。周りもさぼらず、パスコースが次々と生まれる。これを90分続けて、個人技に優れるセネガルを捻じ伏せた。
 
 勤勉でタフに戦うのがアメリカ。セットプレーに創意工夫があるところも、このチームの持ち味だろう。とても好感が持てる。
 これはヨーロッパとは違い、サッカーが「スポーツ」として根づいているからだ。大学が選手育成の主要機関となっていることも大きいだろう。
 
 アメリカではフットボールではなく、サッカー。地域対抗戦ではなく健全なスポーツ。
 これがアメリカのいいところだが、同時に短所でもある。というのも勤勉であるがゆえに、敵を騙したり、変幻自在にペースを変えることができないからだ。要するにふざけたヤツがいない。
 このあたりがサッカーの難しいところであり、面白いところだ。
 
 波がなく、正々堂々プレーするアメリカ。この年代の大会では上位に食い込んでも不思議ではないと思う。
 
 なお、1試合目はサウジアラビアが2-1でエクアドルを撃破。アジアが南米を破ったという意味で、ちょっとした番狂わせとなった。
 
 シュート数7対24。猛攻にさらされたサウジアラビアは、10番アルクライフのチャンスメイクから11番アルヤミが2ゴールを決め、エクアドルを退けた。2点目はカウンターの見本のようなゴールである。
 エクアドルは前半終了間際のPK失敗が大きく響いた。
 
取材・文:熊崎 敬(スポーツライター)
 

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最終更新:5/26(金) 17:30
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