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一家惨殺事件の犯人は本当に旧友なのか?オーストラリア発ベストセラーが暴き出す田舎町の因縁

5/26(金) 11:00配信

ダ・ヴィンチニュース

 オーストラリアといえば、豊かな自然や農作物を連想させられ、観光に向いた穏やかな国というイメージを抱いている人も多いのではないだろうか。しかし、実際には激しい日照りが産業を脅威にさらし続けている、厳しい一面を持っている国だ。特に農村地帯に足を運べば、生活苦にあえいでいる人々も少なくない。

 傑作サスペンス小説『渇きと偽り』(早川書房)の原題もまた、“THE DRY(渇き)”である。オーストラリア人からすれば特別な響きを持つこの単語を冠した本作は、新人のデビュー作でありながら既に世界中でベストセラーとなっている。オーストラリアの農村の現状と、忌まわしい過去を巡るハードな物語は、日本でも多くの読者を惹きつけるだろう。

農場がこれまで死と無縁だったはずはないし、黒蝿たちはえり好みしなかった。動物の死骸だろうと人間の遺体だろうと、黒蝿にとっては大差なかった。
 本作の衝撃的な書き出しから既に、作者の才気を感じずにはいられない。2000年代、歴史的な日照りで農業は大打撃を受け、オーストラリアの農村は行き場を失っていた。そんな状況の中、メルボルンで連邦警察官を務めている主人公、アーロン・フォークは故郷の田舎町に帰って来る。親友だったルークの葬儀に参列するためだ。

 ルークは軽トラックの荷台でショットガンにより頭を打ち抜かれていた。ほどなくして、ルークの自宅でも妻と子供の射殺体が発見される。農業を営んでいたルークは、日照りによって生活が窮地に追い込まれていた。絶望して正気を失ったルークが一家心中を図ったと世間は結論を下す。

 しかし、アーロンは違う見方をしていた。事件発覚後、アーロンのもとに一通の手紙が送られてきたからだ。差出人はルークの父親、ゲリー。そこには「ルークは嘘をついた。きみも嘘をついた。葬儀で会おう」と綴られていた。ゲリーは息子が家族を惨殺するような人間だとは信じられなかった。そして、過去の惨劇が関係しているのではないかと疑う。

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