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「AlphaGoは楽しい」対局中のプロ棋士5人の笑顔が物語るもの

5/27(土) 12:30配信

WIRED.jp

囲碁AI「AlphaGo」とプロ棋士のタッグ同士が戦った「ペア碁」、そして5人のプロ棋士が最善の手を議論してAlphaGoに立ち向かった「チーム碁」。これまでにない2つの対局をフューチャーGOサミットで終えた棋士から聞こえてきたのは、AIとの対局の「楽しさ」だった。現地からのレポート。

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クラウドと盤面を通じて繋がる

26日午前中(現地時間)に行われたペア碁では、中国トッププロ棋士である連笑(レン・ショウ)と古力(コ・リキ)が、それぞれAlphaGoとペアを組み、対決した。このルールでは、チームごとにペアが交互に手を打つ。

人間同士のペア碁では、チームの2人は言葉で相談をすることが禁止されているため、囲碁の盤上のみでコミュニケーションを取りながら、自らのチームを勝利に導くことが求められる。しかし、今回の「相棒」はそもそも言葉をもたずにクラウドで動作するAIである。棋士はいかにしてAlphaGoと意思疎通を行ったのだろう?

中継で対局を解説した棋士・李夏辰(イ・ハジン)は「棋士が打った手をAlphaGoが後押ししたのであれば、AlphaGoはその手をいいと考えている。しかし、反対にAlphaGoが悪いと考える手が打たると、AlphaGoは棋士の思惑とは違う動きをするだろう」と語った。打ち方を通じて、棋士はAlphaGoの思考を知ることができたのだ。

試合に勝利した連は「AlphaGoとのペア碁はとても興味深く、とにかく楽しい。試合中、本当に最高の気分だった」と喜び、古は「驚くべき手が何度も繰り出された。試合によって、新しいアイデアを得ることができるだろう。もし機会があれば、もっとやるべきだ」とペア碁の可能性に期待を込めた。

AlphaGoと戦うという楽しさ

続くチーム碁は、日本では「相談碁」といわれる。この形式では、チームメンバーがその場で議論を行いながら打ち手を決める。今回は中国屈指のプロ棋士5人がAlphaGoと対決した。

棋士としてDeepMindの開発チームに所属するファン・フイによると、チームの人選は、メンバーの多様な打ち筋が意図されたという。序盤に強い棋士や最後の詰めに強い棋士が闊達に意見交換することで、力を結集してAlphaGoに立ち向かうことができる。対局中、彼らが「相談」を楽しそうにしていた姿は印象的だ。

ただし、対局の結果としてはAlphaGoの圧勝。試合後の記者会見で、棋士たちは自分たちのコミュニケーションが思いのほか、うまくいかなかったと敗因を分析した。ただ、5人で相談しながらさまざまな試みを行うことで、AlphaGoをより理解できたと言う。

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最終更新:5/27(土) 12:30
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