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Amazonのサブスクリプション支援は、媒体社の救世主か?:新プログラムリリースの背景

5/27(土) 8:10配信

DIGIDAY[日本版]

Amazonはひそかに広告販売へ進出してきた。そして、次に手を伸ばすのが、サブスクリプション事業だ。

同社は4月24日、新プログラム「Subscribe with Amazon(サブスクライブ・ウィズ・アマゾン)」を発表。これを利用すると、パブリッシャーをはじめとするデジタルクリエイターは、Amazonのプラットフォーム上でデジタルのサブスクリプションを直接ユーザーに販売できる。読者の立場からすると、パブリッシャーのWebサイトでサブスクライブ(有料会員登録)する代わりに、Amazonサイトや同アプリから、直接メディアのサブスクリプションサービスを購入できるようになる。

同プログラムのトライアル版は2017年8月のローンチを予定している。提携先としては、大手メディアの「ニューヨーカー(The New Yorker)」「ウォールストリート・ジャーナル(The Wall Street Journal:WSJ)」「シカゴ・トリビューン(The Chicago Tribune)」や、デジタルメディアの「スリングTV(Sling TV)」「クリエイティブバグ(Creativebug)」「ヘッドスペース(Headspace)」などのメディアの名が挙がっている。デジタルプロダクトをサブスクリプション方式で販売していて、米国に拠点をおくメディアを対象に、申請の受付がはじまっている。

需要高まるサブスクリプション

売上のうちAmazonが手にする手数料は、1年目が30%、2年目以降は15%となる。この条件はAppleのApp Storeと同じで、1年目からずっと15%のGoogle Playとも大差ない。大半のパブリッシャーは多少なりともプラットフォームに恐れや嫌悪感を抱いているものの、新聞売場や書店が減り続けるなか、高まるサブスクリプションのニーズに応える、新たな売り手が登場したことになる。

「パブリッシャーはかなり前から、サブスクリプションの販売経路を探してきた」と、FTIコンサルティング(FTI Consulting)で通信およびメディア分野を専門とするシニアマネージングディレクターのブルース・ベンソン氏は指摘する。「巨大企業が相手だと、間口の広さと引き換えに法外な手数料を課されるのではという懸念がある。だが、Amazonは市場の競合他社の額に合わせてきた」。

雑誌媒体に関していえば、Amazonは以前からサブスクリプション販売に取り組んでいる。雑誌「ブルームバーグ・ビジネスウィーク(Bloomberg Businessweek)」は、長年にわたりAmazonで有料購読を販売している。Subscribe with Amazonのトライアルパートナーに名を連ねるニューヨーカーは、かつてAmazonのタイムセールを利用して購読者数を伸ばした。

また、「ニューヨークマガジン(New York Magazine)」の広報によると、同誌の有料購読者に占める、サードパーティープラットフォームからの購読の割合は「比較的小さいが増えている」という。デジタルマガジン購読サイト「テクスチャー(Texture)」はその一例だ。

Subscribe with Amazonの開始により、eコマース大手のAmazonは、パブリッシャーが読者にデジタルサブスクリプションを直接販売できる第3の巨大プラットフォームとなる。ほかの2つ、GoogleとAppleは何年も前から、それぞれのモバイルマーケットプレイスでアプリ販売を実施してきた。Apple Payに対応するパブリッシャーも増えており、タイム社(Time Inc.)やニューヨーク・タイムズなどは、有料購読の決済におけるシェアを徐々に伸ばしつつある。

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