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スマートフォンに新しいトレンドを生んだ『Galaxy S8』は爆売れするか?

5/27(土) 9:10配信

@DIME

 スマートフォン業界の最前線で取材する4人による、業界の裏側までわかる「スマホトーク」。今回は、話題のGalaxy S8について話し合います。

【写真】スマートフォンに新しいトレンドを生んだ『Galaxy S8』は爆売れするか?

■デスクトップPCのように使える「Samsung DeX」がすごい

房野氏:前回は、Galaxy S8/S8+をモニターに接続して、デスクトップパソコンのように使える「Samsung DeX」という機能についての話で終わりましたが、これについてもう少し掘り下げたいと思います。

石川氏:Samsung DeXは便利そうなんだけど、どこで使えばいいんだろうと思いません?

石野氏:あれ偽デスクトップなんですよね。ファイルを置けないんです。デスクトップに見えてアプリのランチャーなんです。うまいことWindowsっぽく見せているなと、危うく騙されるところでした(笑)

房野氏:Samsung DeXを使うためのドック「DeX Station」は日本でも売るのでしょうか。

石野氏:どうでしょうね。

房野氏:確かに便利そうに見えますが、Samsung DeXを利用しようとすると、ディスプレイは移動先にあるものを使えばいいとしても、DeX Stationとキーボード、マウスがGalaxy S8/S8+以外にも必要ですよね。私はノートパソコン1台の方がいいです。

石川氏:そうなんですよね。出張先のホテルでテレビにつないで使えると原稿を書いたものの、色々持っていかなきゃいけない面倒くささがある。

法林氏:「パソコンで良くない?」ってこと。それはそうなんだよね。

石川氏:「タブレットで良くない?」ってことじゃないですか。

石野氏:Windows 10のContinuumでも同じことが指摘されていた。

石川氏:Samsung DeXを家のパソコンとしてメインで使うかといったら、ない。

法林氏:ただ、それは僕らがパソコンもあり、iPadもあり、スマホもありという環境にいるから言えること。スマホしかない人にとっては1つの解としてあるだろうね。モニターは1万円も出せばそこそこのものが買えるし、テレビでもいい。でもまあ、そういう人がGalaxy S8/S8+を買うかといったら、ちょっと違うような気もするけれど。

石野氏:パソコンは会社に置きっぱなしの会社員が、通勤時はスマホで、何か緊急事態があったらSamsung DeXで、という使い方はできる。僕はいいと思いましたね。それにちゃんとマルチウインドウになっているし。

房野氏:Samsung DeXではタッチ操作はできないんですよね。

法林氏:できないですね、マウスとキーボードが必要。タッチパネル対応のディスプレイは大きくなると難しい。Windows 8になった頃から、これからはデスクトップのパソコンもタッチだとか散々言われたんだけど、全然ならなかった。

石川氏:Appleがいうには、デスクトップパソコンでタッチ操作するのは、腕が上に行ったり下に行ったりして疲れるからありえないということでした。だから、Appleはキーボードに近いところにTouch Barを搭載している。Microsoftの新しい「Surface Studio」も、体勢が変わってタブレットのようになることで腕の重さを感じずに書ける。

石野氏:ところでアメリカのMicrosoft Storeでは、Galaxy S8/S8+のMicrosoft Editionが出たんですよね。これってWindows Phoneは完全に止めたって感じですよね。

石川氏:Microsoft EditionはOfficeが使えるとか、そんな感じかな。

法林氏:MicrosoftはサムスンにOneDriveを提供したりとか色々やっていたね。

石川氏:Samsung DeXみたいな機能は、もしかすると次のAndroidに載ってきそう。

石野氏:以前、モトローラが「Webtop」でああいった機能を夢見て、結局破れている。どこまで広がるか分かりませんね。

石川氏:広がりはしないと思う。メディアがまた盛り上がって終わりのような気がする。

石野氏:そもそも、DeX Stationを日本で売るかどうかという話もありますしね。万が一売られなくても、技適(電波法に基づく総務省の基準)は関係ないので海外で買ってきて使えますが。

法林氏:ケーブル接続だからね。

石川氏:英語のリリースを見るとファンが入っているって書いていますね。GalaxyをDeX Stationにセットするとファンがブンブン回るから、ファンで冷やすんじゃないかな。

石野氏:サムスンの「Wireless Charger」にもファンが付いています。高速充電すると音がしますよ。

石川氏:これからハイエンド端末はSnapdragon 835を搭載してくるし、Windowsも走るというようなことになってくると、Samsung DeXみたいにPCやモニターにつなげるという世界は、各メーカーはやりたいんだろうな、というのはなんとなく感じる。

■演出も楽しかった「Galaxy UNPACKED」

房野氏:ニューヨークで行われた「Galaxy UNPACKED 2017」はどうでしたか?

石野氏:感動しましたよ。「やればできるな、サムスン」って(笑) Galaxy S8/S8+の発表を盛り上げるために、あえてバルセロナのMWC(Mobile World Congress)はグダグダにしたのかと思ったくらいの落差がありました。

法林氏:会場の仕切りはグダグダだったけどね。

石野氏:先に会場の見取り図が欲しかった。

房野氏:1階がいいのか2階がいいのか、分かりにくかったですね。

石川氏:会場はオペラシアターみたいな、2階建てになっていて。

石野氏:1階席と、外周を囲むように2階席があって、どっちに行けばいいのか分からなかった。

石川氏:前の方に並んだ人たちは2階に案内された。でも、ステージ近くで撮影しようと思ったらどう考えても1階席にいるべきだし、なぜ2階に案内されるのか最初は理解できなかった。半信半疑で2階席に座って、始まってみるとスクリーンが天井にもあったので、全景を撮るには2階席が良かったかなと。

石野氏:人の顔をアップで撮ろうとすると、前の方がやっぱり良かった。希望を聞いて席に案内してほしかったという気もします。

房野氏:演出はどう思いましたか?

石野氏:良かったですよ。

石川氏:去年の「Galaxy Note 7」の発表会も「おっ!」と思った。ただ、途中で通路側に座っていた人たちが、みんな同じシャツだって気がついちゃったんですよね。プレスが会場に入ったときにはすでに座っていて、妙に目立つパーカーを着ていた。

法林氏:なんかヘンだなあと思ってみていた。Note 7の発表会のように、舞台変換でダーっとテーブルを出してきて、タッチ&トライコーナーを作る人たちなのかなと思ったいた。あれはすごかったんですよ。

石川氏:それが「Gear 360(2017)」を渡す人たちだった。

石野氏:タッチ&トライの端末の数も豊富で豊富で。

法林氏:でも、カラーが偏っていたね。

石川氏:タッチ&トライコーナーは2階席の方が空いていて良かった。端末を独占できた。

石野氏:バルセロナのタッチ&トライ会場がウソのようでした。

■トレンドになりそうな縦長狭額縁ディスプレイ

房野氏:Galaxy S8/S8+本体についてはどう思われますか?

石川氏:モノとしても非常によくできている感じがした。気になるのは、狭額縁というか、ほぼ縁がない状態で、本当に落としたときに大丈夫なのかどうか。

法林氏:ほどほどの狭額縁だといいんだけど。

石川氏:ちょっと攻め過ぎな感じですよね。

法林氏:横のフレームをどういう風に作っているかによる。

石野氏:僕、「Galaxy S7 edge」をガンガン落としてますけど大丈夫ですよ。S8/S8+でもフレーム自体はそれほど変わっていないので、大丈夫じゃないかなと。

石川氏:上下の額額縁が心配。

法林氏:上下はS7 edgeの半分くらい、6~7ミリくらいになっている。下はホームキーがないし。

石野氏:S7 edgeはフレームがバンパーのようにうまく囲ってあるので、結構、傷ついて凹んだりしているけれど、ディスプレイが割れてはいない。

法林氏:機種にもよるけど、ちょっとした落下くらいで、フレームが壊れてしまうことはないそうです。ただ、フレームから落ちたとき、フレームは大丈夫だけど、内側のディスプレイが瞬間的に押されて、壊れることがある。狭額縁にもある程度、限界があるんでしょうね。

房野氏:転んで頭を打ったときに、頭蓋骨は大丈夫でも脳に影響が出る、みたいなことがあると。

石野氏:ただ、あれで大画面というのは若干ずるいかなとは思いました。

石川氏:大画面という言葉の使い方を変えなきゃいけないなというか、「長画面」なんですよね。

法林氏:縦に長い。

石川氏:大きいS8+が6.2インチ。6.2インチでも持ちやすいのは、幅がなくて縦長画面になっているから。それをそのまま6.2インチ画面ととらえていいのかなという気はする。

石野氏:S7 edgeの持ち心地が、6.2インチのS8+に近いんですよ。S7 edgeのディスプレイが上に伸びている感じなんです。横に倒すと横長のコンテンツは調度良く見えますが、逆に普通の映像だと横が余る。4:3の写真を見ると左右が思いっきり余るので、これを大画面って呼んでいいのかと。

房野氏:でも、動画を見るのは楽しいですよね。

法林氏:Amazonがプライム・ビデオでHDRにも対応した18:9のコンテンツを相当やるみたいだし、コンテンツプロバイダもみんなやろうとしている。

石野氏:S8/S8+の18.5:9という画面比率は映画の画面比率に近いので、みんなコンテンツは持っているわけですよ。S8/S8+の画面にぴったりじゃないですけど、16:9よりはシネマスコープサイズに近くて見やすい。ただ、カメラが4:3のセンサーなんですよね。結構、余るなというのが気になったところ。カメラ画素数も1200万画素で、S7 edgeから変わっていないんですよ。

石川氏:今回、カメラは手を入れてないですよね。

法林氏:センサーは同じで、ファームウェアは書き換えている。

石野氏:手ブレ補正の処理の仕方をちょっと変えたというだけで、まあ、手を抜いていますよね。

法林氏:力を入れたのは、どちらかといえばインカメラ。「SNOW」みたいな機能を入れたり。

石野氏:あれはアプリでよくないですか?

法林氏:まあ、そうなんだけど、わざわざアプリをインストールするよりは最初から入っていた方がいいこともあるので。

房野氏:縦長の画面とフレームレスの形は、今後のスマホのトレンドとなるでしょうか?

石川氏:たぶん、Appleも次のiPhoneに有機ELを載せてくるでしょうし、ホームボタンをなくすんじゃないかという噂がある中で、いち早くサムスンが載せてきた。GoogleのPixelも18:9のディスプレイを採用するんじゃないかという話があるので、もしかしてあの形が今後のスタンダードになるかもしれない。

石野氏:GoogleがLGディスプレイに出資したらしいですね。

石川氏:あれはどちらかというとVR対応の有機ELディスプレイを作らせたいということで出資になったと思うんだけど、やれることは増えてくるだろうし、今後、VR的なことをやろうとしたら有機ELがマストになってくるので、そっちに行くかなあと。

石野氏:VR用といっても、スマホでということですよね。

石川氏:そうそう。

法林氏:4:3の映像サイズ、16:9の画面が果たしてスマホに適切なのかと考えたときに、縦に伸ばした方が使い道は多いという判断だろうと思う。MWCでLGが発表した「LG G6」の18:9もあるし、今回、サムスンも18.5:9で出したことを考えると、恐らく今年はグローバルで縦長ディスプレイがトレンドの1つになってくるだろうという気はします。

石野氏:LGもサムスンも、発表会にGoogleの人がゲストで登場して、ちゃんとAndroidの標準に取り込みますということを言っている。標準に取り込まれると業界はそっちに流れていくだろうと思います。メーカーが突っ走って、先走って載せた比率のディスプレイではない。

房野氏:OSレベルで、ディスプレイの比率にUIも合わせていくということですね。

石川氏:18:9、つまり2:1のLG G6で2つのアプリの画面を半分ずつ表示できるのは、理にかなったハードの進化だし、ソフトもそこに合わせてきている。あれを活かしたUIも出てくると思います。

石野氏:トレンドを作るというのは、こういうことなのかとサムスンの発表会で感じました。Galaxy S8/S8+を見た後に、どのスマホを見ても古臭く感じるんですよね。デザインって背面をちょこちょこっと変えるだけじゃないんだなと。

石川氏:ちゃんとモノを作っているメーカーが、デバイスを作って売って、Googleと仲がいいからこそできることがある。ディスプレイのLGなりサムスンだし、カメラモジュールのソニーだし、まあ、液晶のシャープだし。そういうデバイスを持っているから。

石野氏:ディスプレイが多いですね。

房野氏:ディスプレイといえば、ジャパンディスプレイ(JDI)は有機ELディスプレイを作っているんですか?

法林氏:子会社がやっていて、それを同じ会社の中に入れるかどうかで揉めています。JDIが今後どうなるかは、そこが結構鍵だと僕は思っています。

房野氏:日本メーカーのスマホはJDIのディスプレイを使っていますよね。

法林氏:液晶は結構採用していると思いますよ。でも、有機ELの採用はあるのかな? 液晶は自分たちの元同僚が作っているんだから、意地でも買いにいくでしょう。

房野氏:VR用に有機ELディスプレイを使うということになったら、どうなるでしょう。

法林氏:PlayStation VRの有機ELはサムスンだよね。聞いたとことによると、あの大きさと解像度の有機ELは、まだサムスンしか作れないということでした。

石川氏:サムスンしか作れないから、なかなかPS VRの品薄が解消されない。

法林氏:歩留まりが悪いらしい。それほど高解像度の有機ELは難しい。あと、今、世の中が有機ELに流れようとしているけれど、逆に液晶側もがんばっている。省電力的に、発色的に有機ELが有利といわれているけれど、液晶のフィルターがどんどん良くなって、液晶ディスプレイもかなり良くなってきている。果たしてどちらに行くかは分からない。

石野氏:まだ試作機ですけど、IGZO液晶を曲げられる、みたいなことをシャープが言っていますね。

■安全面は大丈夫?

房野氏:ところで、Galaxy S8/S8+に関しては、発火問題や安全面は大丈夫ということなのでしょうか。

石野氏:発表会ではサラッと流されましたね。

石川氏:一応、安全に気をつけていますという話でした。信じるしかない。

法林氏:まだ製品が出て間もないし。

石野氏:S7 edgeは1年間使って爆発していないから、大丈夫だと思いますよ。

房野氏:でも熱くなるとカメラがフリーズするじゃないですか。

石野氏:僕の端末は、アップデートしてから、それはなくなりました。

法林氏:先日のアップデートでは、写真が保存されない問題も直した。カメラで撮って、すぐホームボタンを押して戻ると、画像が保存されない不具合があった。

石野氏:そっちの方が問題。サムスンは、以前はひんぱんにアップデートがあったのに、S7 edgeは少ない。Note 7が爆発して忙しかったのかもしれないけれど、もうちょっと穴を塞いでほしい。あと、今度は日本でS8とS8+の両方とも出してほしい。それとNoteがどうなるかも気になります。

石川氏:Note、なくてもいいかなって気もしてきた。

石野氏:いやいや、Sペンがないと。

法林氏:Noteを待っている人はいるよね。

石野氏:Noteが縦長になるのは、どうかな。

法林氏:紙のノートは縦横比がほぼ決まってるけど、新聞記者で縦長なメモ帳を使っている人がいるじゃないですか。今のディスプレイの縦横比が正しいと思ってるかもしれないけど、もしかしたら、間違いかもしれない。可能性を否定しちゃダメですよ。ケータイの時代から考えたら、スマホみたいな縦長の大きな端末なんてありえないわけですよ。だからフレキシブルに考えていくべきですね。

房野氏:Galaxy S8とGalaxy S8+、どちらを買いますか?

法林氏:出る方を買う。

石野氏:どちらが出るんですかね。僕は両方出ると思いますけど。

法林氏:そうなることを期待!

......続く!

次回は、「Microsoft Build」についての会議です。ご期待ください。

文/編集部

@DIME編集部

最終更新:5/27(土) 9:10
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