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【U20】エース小川の不在どう埋める? 鍵握る2トップ、久保、堂安ら多数のオプションも

5/27(土) 10:01配信

フットボールチャンネル

 今日決勝トーナメント進出をかけてイタリアと対戦するU-20日本代表。自力突破のためには勝利が必須だが、エース小川航基が負傷離脱。彼の穴を埋めなくてはならない。果たして運命の一戦で鍵握る2トップには誰が起用されるのか?(取材・文:河治良幸)

決勝T進出をかけたGL最終節イタリア戦は本日20時から 【U-20W杯】グループステージ組み合わせ

●小川に代わって出場、久保の魅力とは?

 U-20日本代表は南米王者のウルグアイを相手に奮闘も、最後は1チャンスを決められる形で突き放されて2-0の敗戦を喫した。これで1勝1敗となり、自動で決勝トーナメントに進出となる2位以内にはイタリア戦での勝利が求められる。

 大きな焦点となるのはウルグアイ戦の前半に左膝を負傷したエース小川航基の代わりを誰が担うのかだ。ウルグアイ戦では久保建英が前半20分から急きょ投入された。前半は「ファーストタッチがうまくいかなかった」と本人が語る通り、アップも不十分な状況で何度かミスが続いたものの、後半に持ち直してスルーパスなど何度か惜しいシーンを演出している。

 久保は小川のように前線に張ってポストプレーをするタイプではないが、DFラインの1つ手前でボールを受け、そこからゴールに直結するプレーができる。その分も岩崎悠人が前線の高いポジションをキープして、相手のラインを下げる役割を担うなど、小川が前線にいるときより周囲の負担は大きくなるが、攻撃に変化を生み出すセットとしては魅力的だ。

「自分はどの選手と出ても、その選手の良さが出せればいいなと思っていますし、逆に自分のことも理解してもらえたら嬉しいです。このチームでは自分の良さと相手の良さを分かっているつもりなので、そこはしっかりやれるようにしています」

 そう語る久保は正確なシュートだけでなく、ウルグアイ戦で市丸瑞希のループシュートのこぼれ球をヘッドで狙うなど、オフから状況を見極めた動き出しから決定的なプレーもできる。

 相手陣内で久保と絡んでチャンスを作った堂安も「久保には久保の持ち味があるので、それを生かすようにした」と振り返った。岩崎や堂安と近い距離で絡めれば屈強なイタリアの守備陣にも有効だろう。

 では、イタリア戦ではそのまま久保が先発となるのだろうか。

●先発濃厚の田川。コンビ組む岩崎への好影響も

 「状況判断に優れている」と久保を評価する内山篤監督としては彼をスタートから使うより、流れを変えたい時間帯に投入する方がプランを立てやすいかもしれない。未知数な部分は多いが、本来なら小川に近いのは田川亨介で、前日練習の様子からも岩崎と田川の2トップでスタートすると予想される。181cmの長身で「飛び級」ながらパワーを兼ね備えた田川は1つ良いきっかけを掴むとラッキーボーイ的な存在になれるポテンシャルはある。

 とにかくゴール前で仕事をする姿勢が強い選手で、小川ほどポストプレーで周りを使うことは期待できないが、彼が前線の中央に張ることで岩崎が本来の衛星的な動きをしやすい。

 またサイドからのクロスも選択肢になるため、タイトな守備を誇るイタリアに対しても、サイドを起点としたオープンな攻撃が可能になる。

 追加招集の高木彰人はU-20代用でサイドに起用されることが多いが、本来はFWの選手で、2トップでも能力を発揮できる。鋭いドリブルと正確なシュートが武器で、親善試合のホンジュラス戦後に行われた30分のトレーニングマッチで決めたゴールのように、ライン裏に飛び出してGKとの1対1を決めることもできるアタッカーだ。

 高木と岩崎のコンビはややタイプが重なる部分もあるが、1人が裏を狙えばもう1人は引いてクサビを受けるなど、2人の機動力を効果的に生かせばイタリアのDFラインに混乱を引き起こせる可能性はある。ただ、うまく噛み合ないとトップ無しのような状態になってしまうリスクもあるため、相手が疲労してスペースができてきた時のオプションと考えるのが順当だろう。

●オプションとして期待できる堂安のFW起用

 もう1つオプションとして考えられるのは、堂安のポジションを上げ、2トップの一角として起用するプランだ。チームで最も多く得点をあげている小川を除けば、最もゴール前の得点力を備えているのが堂安。

 このチームでは右サイドからカットインして左足を生かすスタイルが定着しているが、所属クラブのG大阪では2トップでも結果を出しているポジション。2トップならば、サイドより高い位置で起点や仕掛けのプレーをしながら、フィニッシュに入っていける。

 堂安は打開力に優れるだけでなく、高いボールキープ力を備える。基本的には岩崎が高めに張り、堂安が幅広く動く形になるが、岩崎が外に流れれば堂安がゴール前に張ることもできる。その場合は右サイドハーフに遠藤渓太が起用されるはず。

 堂安よりアウトサイドでのプレーを得意とする遠藤は縦にも横にも仕掛ける高速ドリブルを武器としており、そこでイタリアの守備を引き付ければ、前線の岩崎と堂安にスペースを生むことができる。

 もちろん岩崎が左サイドにポジションを移す、あるいは交代で下がる場合は田川と久保、久保と堂安といった組み合わせも出てくる。エースストライカーの負傷という事態の中で内山監督がどういうチョイスをし、試合中どのようにオプションを選択していくのか。それに起用された選手たちがどう応えるかで戦局は大きく変わることは間違いない。

(取材・文:河治良幸)

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