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【U20】イタリア“主役“不在の理由。要警戒の2トップ、経験では日本有利

5/27(土) 10:40配信

フットボールチャンネル

 今夜行われるU-20W杯で日本が対戦するイタリア。彼らにとって、この大会はあくまで本番ではなく育成という位置づけのようだ。それでも十分なタレントをそろえているが、日本にも十分にチャンスはある。(取材・文:神尾光臣)

決勝T進出をかけたGL最終節イタリア戦は本日20時から 【U-20W杯】グループステージ組み合わせ

●U-20W杯を育成と捉えるイタリア

 昨年に行われたU-19欧州選手権で、準優勝をもぎ取ったイタリア。8年ぶりとなる今回のU-20W杯に臨むチームは、それをベースに構成される運びになっていた。

 その後、柱となっていた選手は所属クラブで大人たちを押しのけて活躍した。マヌエル・ロカテッリは一度ミランでレジスタのポジションを確保し、GKのアレックス・メレトはウディネーゼからレンタルで回されたSPALでセリエA昇格に貢献した。さらにU-19の欧州選手権には招集されていなかったが、19歳のフェデリコ・キエーザがフィオレンティーナでブレイク。26戦出場と頑張っていた。

 もっとも今回のU-20W杯で、上に挙げた選手たちは全て招集されていない。メレトは直前合宿の招集を受けてはいたものの、結局外れた。彼らは、6月に行われるU-21欧州選手権に呼ばれるものと考えられている。

 さらにはシーズン中で、FIFAカレンダーに国際試合のない期間での開催ということで、招集はクラブの意思にも当然左右される。左サイドバックでレギュラーだったフェデリコ・ディマルコは、エンポリの残留がもつれたためにシーズン終了後の合流となった。一度メンバーには招集されたインテルの18歳アンドレア・ピナモンティは、チームがヨーロッパリーグ出場権を懸けて戦っていたため招集は拒否された。

 セリエAでレギュラーを取っていた選手の中で、韓国に連れて行けたのは残留を余裕で決めていたカリアリのニコロ・バレッラくらい。ユベントスのロランド・マンドラゴラに関しては、長期故障の後で試合勘を取り戻させる意味から、クラブが許可した。

 重要な選手、といったら他に失礼だが、すでにセリエAで名声を築いた若手については上の華々しい機会を用意している。イタリアのサッカー界は、U-20W杯をタイトルの獲得の場というよりあくまで育成の大会だと考えているということである。当然のこと、ニコラス・スキヤパカッセやロドリゴ・ベンタンクールらを呼んで勝ちに来ているウルグアイには0-1で敗れた。

●それでも前線のタレントは脅威

 ただ、チーム自体はしっかりと仕上げてきている。第2戦の南アフリカ戦では、マンドラゴラを軸に高い位置からのボール奪取と速攻で相手を攻め、2-0で勝利した。

 点を奪ったのは、セリエBアスコリで活躍しユベントスの保有選手であるリッカルド・オルソリーニとアンドレア・ファビッリのコンビだ。

 オルソリーニはアスコリの下部組織が輩出したテクニックのあるサイドアタッカーで、その才能を見込んだユベントスが今年1月にパスを買った。スピードに乗ってスペースをつき、技術とアイディアを駆使してマークを外すカットインが最大の売り物で、左利きながら右足のキックも精度が高い。南アフリカ戦ではそのカットインからPKを奪い、それを自ら決めた。

 右でも左でも高いレベルで活躍できるが、得意なのはやはりカットインを活かせる右サイド。U-20代表でもこのポジションで、左を務めるジェノアの下部組織出身のパオロ・ギリオーネ(現在の所属はSPAL)と共にスピードに乗ってサイドを破るのがイタリアの攻撃の柱だ。

●経験では日本

 一方ユーベの下部組織出身であるファビッリは、191cmの巨漢を活かしてゴール前で圧力を掛ける。南アフリカ戦では68分、ロングスローに反応するや相手の寄せを苦にせず、楽々と制空権を取ってヘッドを押し込んだ。

 比較的小柄で周りを動かすのが上手いジュセッペ・パニコとは、U-19欧州選手権でもコンビを組んでおり呼吸は合っている。展開が消された時でも、ファビッリを狙ってロングボールを当て、それをパニコに拾わせるのも一つのパターンだ。

 27日に対戦する日本が警戒すべきは、やはりこの2人ということになるだろう。オルソリーニにはしっかり張り付いて動きを止めたい。一方、中盤を支配してもファビッリへのロングボール一本で崩される恐れもある。ロングボールを出させない組織守備と、エリア内で慌てない対処が必要となる。

 もちろん、ボールを刈り取りに来るイタリアの圧力をかわしてボールキープができるかは、日本にとっては生命線となる。中盤が当たりの激しさに負けず、攻め切れるかどうかが勝負を分けるだろう。ただ日本に持たせてカウンターを狙うという想定はしてくるはずなので、そのリスクをうまくマネジメントできるかが肝心だ。

 トップカテゴリーの経験値が豊富な選手の数は、セリエB組中心のイタリアより多いはずだ。これで当たり負けするならJリーグはぬるい、という話にもなってしまうので、J1でのプレー経験を持っている選手たちは恐れずに自分の技量をぶつけてもらいたい。

(取材・文:神尾光臣)

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