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【英国人の視点】U20、A代表と共通する問題点。決定力不足とトラブル対処力の欠如。教訓活かし早急な修正を

5/27(土) 11:26配信

フットボールチャンネル

 韓国で開催中のFIFA U-20W杯に臨んでいるU-20日本代表。24日のウルグアイ戦では0-2で敗れたが、この試合ではA代表に通ずる日本の課題が顕在化していた。27日にはグループステージ最終戦となるイタリア戦を迎えるが、次のステージに進むために、敗戦の教訓を活かした戦いを見せたいところだ。(取材・文:ショーン・キャロル)

決勝T進出をかけたGL最終節イタリア戦は本日20時から 【U-20W杯】グループステージ組み合わせ

●試合の持つ意味を感じすぎてしまった選手たち

 選手たちはより若く、経験もはるかに浅いし、チームとして一緒にプレーする時間もあまり持てたわけではない。だが、水曜日にウルグアイと対戦して0-2で敗れたU-20日本代表には、A代表と共通する部分がいくつかあった。

 南アフリカとの初戦と同じく、内山篤監督のチームはスロースタートを切り、序盤からウルグアイに主導権を明け渡してしまう。相手の激しさにやや圧倒されているかのようだった。

 プレッシャーのかかる大舞台で、サムライブルーが格上のチームと対戦する場合にも頻繁に起こることだが、立ち上がりに選手たちは試合の持つ意味を感じすぎてしまっていた様子だった。FW岩崎悠人も試合後にそう認めていた。

「こういう大きい世界大会の舞台というのもありますし、勝てば予選突破というのもあったと思うので、そこの感情のコントロールがなかなかできなかったかなと思います」と京都サンガ所属の彼は語った。

「今日は何かしてやろうっていう気持ちが個人個人で強かったと思いますが、もう少しみんなで、チームで戦いたかったというのはあります。個人だけじゃなくて、もう少しグループで何かしようという意図があればまた何か起こったんじゃないかと思います」

 センターバックの冨安健洋は不安定な立ち上がりを見せ、11分にはニコラス・デ・ラ・クルスにあと一歩で先制点をプレゼントするところだったが、ウルグアイの主将がシュートをポストのわずか外へ外したことに助けられた。だがウルグアイは、その後に訪れたチャンスを無駄にすることはなかった。冨安も両チームの決定力の差に言及しているが、これもA代表がたびたび受けている批判と共通する部分だ。

「相手の決定力というのは本当に感じられました」と冨安。「自分たちでミスをプレッシャーにしてしまったと思います。僕個人もパスミスがたくさんありました。相手にやられたというより、自分たちで勝手にプレッシャーを感じていました」

●エース離脱による影響の甚大さ。状況適応力の欠如

 開始わずか20分でセンターフォワードの小川航基が負傷交代を強いられたことも日本を苦境に追い込んだ。ジュビロ磐田の若きスターを失うことは、ゲームプランの重要な部分を切り取られることを意味した。

「小川がいなくなったことで前線のターゲットがいなくなってしまいました。少しロングボールだったり、クロスの量というのが少なくなるかなと思いました」と三好康児は語った。「小川が入った時は結構クロスからのチャンスはあったので、もっとそこから行ければと思っていたんですけど」

 ゲーム中に発生する問題を乗り越えて状況に適応できる力というものは、勝てるチームに特有のものだ。たとえば、クリスティアーノ・ロナウドを負傷で失いながらもEURO2016決勝を制したポルトガルのことを考えてみればいい。日本が主力の離脱に過敏すぎることは、内山監督も試合後の記者会見で指摘していた。

「ボールを動かして相手を動かしてチャンスメークをするべきなのが、前半の失点後は1人2人の関係でなんとかしてやろうというサッカーになってしまった」と57歳の指揮官は語っている。

「ハーフタイムに修正しようとして話をしたが、結局ウルグアイはこちらのミスを突くことができて、我々は相手のミスを活かせなかったということでこういう結果になったと思う」

 これもまた、ビッグゲームにおいてA代表がしばしば問題視される部分だ。後半にボールを支配しながらも、より継続的にファイナルサードへ押し込み続ける時間を作れなかったことについては、岩崎も次のように話していた。

「ゴール前に行く回数も差はあったと思うんですけど、そこで決めきるか決めきれないかという技術の差もあったと思います」

●イタリア戦では前半から流れに乗ることができるか

 小川の代役として投入された久保建英は、日本にとって最大のチャンスのひとつを逃すことになった。55分、ゴール前のリバウンドを押し込もうとした至近距離からのヘディングがクロスバーの上を越えた場面だ。FC東京に所属する15歳のワンダーキッドと岩崎とのコンビネーションはやや合わない場面も見られた。

「離れすぎている時もあったと感じますし、タイミングも完全には合っていなかったかもしれません」と岩崎は認めている。「役割をはっきりさせようという話はしました。僕が背後に抜けて、久保君がスペースで受けるという話です」

 実際に、試合が進むにつれて期待を感じさせるような形も生み出せていた。南アフリカ戦で後半に修正できたのと同じように、ウルグアイ戦でも試合のペースを掴んだあとは、はるかに強い自信と前向きな姿勢が感じられるようになった。

 試合の流れに適応できる力を見せられたことは、試合のポジティブな一面だったと岩崎は考えている。イタリアとの決戦となる土曜日のグループ最終節ではその力を活かしつつ、前線での決定力を高めたいところだ。

「やっぱりこのチームには、前半の相手の出方を見て修正できる能力があると思いますので。慣れというのもありますし、自分たちで考えてプレーした結果だと思います」と岩崎は、チームの見せる二面性について説明していた。

「イタリアも技術の高いチームですし、フィジカルもあるので。今日みたいな戦いにはなると思います。フィニッシュの面でしっかり、少ないチャンスを決められるようにやっていきたいと思います」

 日本と同じくベスト16進出に向けて勝ち点を必要としているイタリアに対し、後半まで待つことなく試合の流れに乗ることも重要となる。準備の時間はわずか2日間だけだったが、次のラウンドへ勝ち進みたいのであれば、教訓を活かして修正することが必要になってくる。

(取材・文:ショーン・キャロル)

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