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文科省前次官が安倍政権に前例ない反乱 --- 中村 仁

5/28(日) 17:02配信

アゴラ

強引な官邸主導に不満が噴出

加計学園の獣医学部認可問題で、文科省前次官の前川氏が、安倍政権の強引な手法に反乱を起こしました。官邸の圧力の有無、内部文書の存在の有無、証人喚問の賛否など、獣医学部の開設の是非という核心部分の解明から、追及の焦点がずれて行くに違いありません。ひょっとしたら、それは官邸が望むところなのかもしれません。

経産省の局長だった古賀氏が退官後に、メディアで安倍政権への批判論を展開したことはありました。今回は自らかかわった案件を俎上に乗せました。国家戦略特区での獣医学部開設は「官邸の最高レベルが言っているとの内部文書は存在する。自分も読んだ」と、記者会見で発言しました。「官邸、内閣官房、内閣府などの政治権力の中枢の力が強まっている」とも、強すぎる政治主導のへの不満をあからさまに噴出させました。官僚の行動として、前例がないことです。

文科省の現役官僚は人事での報復を恐れ沈黙しています。本心はどうかというと、「われわれの気持ちを代弁してくれている」でしょう。恐らく森友学園の国有地払下げで批判されている財務省関係者なども、喝采していることでしょう。「なぜ官邸は逃げるのか」と。報復人事が怖い彼らは忍の一字で、核心に触れる発言を避けています。

都合のいい時は「首相の指示」

政権が長期間、安定し、外交力を強め、内政でも官僚の省益優先の行政を打破することは大切です。だからといって、都合のいい時は「首相の指示」と発表し、都合が悪い時は、裏から指揮して官僚を操り、世間の批判が官僚に集中するようにしている政治は不信を招きます。補佐官や副官房長官が影武者になり、指示を飛ばしているようですね。

獣医学部を新設するとしたら、「学部新設が50年も認可されておらず、獣医師が不足している」、「生命科学など新たに対応すべき分野がある」などの根拠をあげることでしょう。既得権益を代弁する農水省は「獣医は不足していない」と言っているそうです。それなら官邸は農水省に「そんなことはない」と、データを突きつければいいのに、やっていません。首相の親友が絡む案件だし、1強内閣なのだから、手間を省き、強行突破しても大丈夫と考えたのですかね。

同じような強行突破は、憲法改正でも浮上しています。私は自衛隊の存在を憲法に明記し、法的な疑念が生じないようにすべきだと思います。問題は憲法改正という薬を飲みやすくするため、「大学教育を含む無償化を憲法に盛り込む」意向を首相が強く持っていることです。財源として、毎年4,5兆円、教育国債を発行していけば、財政は破綻します。無茶です。

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最終更新:5/28(日) 17:02
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