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【U20】圧巻の堂安。イタリアの守備こじ開けた、発想すら異次元のドリブル突破【西部の目】

5/28(日) 11:29配信

フットボールチャンネル

 27日、2017 FIFA U-20W杯グループステージ第3節が行われ、日本はイタリアと2-2で引き分け、決勝トーナメント進出を決めた。開始早々に2点ビハインドを背負う厳しい展開となったが、そこからガンバ大阪の堂安が圧巻のパフォーマンスを披露。イタリアの組織的守備を2度にわたってこじ開けて見せた。(文:西部謙司)

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●店じまいのイタリアから2点を奪う

 早々にイタリアが2点をリードしたことで、日本にとっては難しい試合になった。逆にいえばイタリアにとってはイージーな試合になったわけで、それが結果的に日本にはプラスに作用した。

 裏をつかれての2失点は守備の不安定さを露呈していた。守勢に回れば日本の良さは出ない。しかし、2点のリードによってイタリアは引いて構えるようになった。無理に追加点を狙う必要はなく、日本にボールを持たせておいてカウンターを狙えばいい。イタリアが引いたことで日本の攻勢となり、堂安の2ゴールにつながった。

 最後の数分、引き分けで十分のイタリアに攻める気はなく、日本も2-2ならグループリーグ突破なので無理に奪いにいかない。イタリアがDFとGKの間で延々とパスを回しながら試合終了となった。2点先行されたことで、イタリアに事務的なプレーをされてしまったのはやや残念だが、それでも同点まで持っていけたことは日本の攻撃力を改めて印象づけた。

●圧巻だった堂安の密集突破

 ゾーンの守備ブロックを組んで待ち構えるイタリアは、どっしりと落ち着いていた。日本にボールを持たせても、最後のところは締め上げて何もさせないという守り方である。隙があるようにみえて、日本のパスワークに振り回されていないので、なかなか穴が開かなかった。

 しかし、日本は堂安がゾーンの隙間でパスを受け、捕まる前にさばいて動き、こじ開けにかかる。それでもイタリアは最後のところは死守していたが、遠藤のピンポイントのクロスを堂安が合わせて1点差。さらに堂安が密集にドリブルで突っ込んで同点ゴール。イタリアは堂安1人にやられた格好である。2点目は圧巻だった。

 あの狭い密集地帯にドリブルで入っていける選手はなかなかいない。その発想すら出てこない。メッシやディバラなどアルゼンチンのアタッカーが得意なプレーだが、左足にボールをつけたまますり抜けていくドリブルは、大きなイタリア人DFにとって対処が難しかったはずだ。いっけん無謀にも思えるが、本人は何度も成功させてきたプレーなのだろう。それが世界大会でも通用したわけだ。

 国内では通用しても、世界大会では通用しないプレーがある。一方、どこへ出しても通用するプレーもある。世界大会で通用したプレーは、その選手がどこまで行けるかの可能性を示してくれる。同時に日本の育成年代のプレーヤー、指導者の指針にもなる。堂安の2点目は、日本人だから無理なプレーなどほとんどないこと、独自の才能を伸ばすことの重要性を教えてくれたのではないか。

(文:西部謙司)

フットボールチャンネル

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